2024.8.12
夏の暑さ対策は“窓”がポイント 効果やおすすめの方法を解説
これから本格的な夏に向けて、ご自宅の暑さ対策について検討している方も多いでしょう。
また、これから建てるマイホームは省エネにしたいと考えている方も少なくないはずです。
最近、高気密・高断熱住宅が当たり前になりつつありますが、実はそれだけでは暑さ対策として足りない場合もあります。
キーワードとなるのが、「遮熱」です。
今回は「遮熱」と断熱の違いや、方角による使い分け、おすすめの方法を解説します。
これからマイホームを建てる方や、省エネ住宅に興味のある方、今のお住まいをリノベーションしたい方は、ぜひ参考にしてください。
■ 窓の方角によって、断熱性だけではなく遮熱性をプラスした方が良い場合があります。
■ 私たち“エムズホーム”は、「愛着の持てる住まいづくり」をコンセプトに、高気密・高断熱で省エネ性能の高いスタイリッシュな住宅づくりを行なっています。
“遮熱”と”断熱”の違いは?
「遮熱」と「断熱」の違いについてお話しする前に、まずは部屋が熱くなる原因について見てみましょう。
熱の伝わり方は、主に「伝導」「放射(輻射)」「対流」の3つに分けられます。
熱伝導率は材料によって異なり、数値が低いほど熱が伝わりにくく、高いほど伝わりやすいことを意味します。
暑さは赤外線によって伝わるため、それを遮断するものがあれば、熱移動は大きく妨げられます。
局部的に熱くなると、全体の温度が左右されるということです。
周りに比べて温度が高い部分は上昇し、低い部分は下降する特性があります。
(引用:AGC Glass Plaza)
この仕組みを理解すると、「遮熱」と「断熱」の違いがよく分かります。
主に太陽光熱(日射)に対して使われ、放射(輻射)を遮ることで、室温が受ける影響を最小限に抑えます。
断熱性能を高めて、伝導や放射(輻射)をできるだけ遮断し、対流を起こさないようにすることで、適温に調節された室温を維持できます。
「遮熱」と「断熱」はセットで使われることも多いため、その意味を混合されがちですが、室内の温度環境を快適に保つためのアプローチが正反対なのです。
そのため、夏の暑さ対策としては、「断熱」と「遮熱」の両方について検討しなくてはいけません。
“遮熱”と“断熱”どっちが効果的?東西南北の面で使い分けるべき?
「遮熱」と「断熱」はどちらも室内を暑くしないための性能ですが、それぞれ室内側から・屋外側からとアプローチが異なります。
それゆえに、地域や窓のついている方角によって、どちらを選ぶべきか検討しなくてはいけません。
寒冷地域と温暖地域
夏の冷房使用時・冬の暖房使用時それぞれにおいて、外部気温の影響を受ける箇所が窓やドアなどの開口部です。
特に、最近の住宅は開放感などを理由に、窓を大きく開ける傾向が強いため、何も工夫しなければ、室温を大きく左右してしまいます。
(引用:一般社団法人 日本建材住宅設備産業協会)
夏の暑さが気になり、冬はそれほど寒くならない温暖地域では、窓から入る日射熱をシャットダウンしなくてはいけません。
もちろん断熱性によって、冷房効率を高めることは必要不可欠ですが、さらに暑さを遮るためには、「遮熱」が重要となるのです。
一方、夏の暑さよりも冬の寒さの方が懸念点となる寒冷地では、窓の遮熱性を高めてしまうと、冬に太陽熱で室内を暖められません。
そのため、遮熱性を高めるよりも「断熱性」を高めることの方が重要と言って良いでしょう。
東西南北の使い分け
「日射が一番差し込むのは“南側”」と思われがちですが、実はそうではありません。
なぜなら、南面に太陽が位置する時間帯は高度が高いため、側面にある窓にはそれほど当たらないからです。
窓からの日射へ対策を取らなくてはいけないのは、太陽高度の低い東面と西面。
南北から当たる直達日射量のおよそ3倍にもなります。
(引用:日本経済新聞)
つまり、日射を遮断する「遮熱」は、東面・西面へ重点的に備える必要があるということです。
「全面に遮熱性能をプラスすれば間違いない」と思う方もいるかもしれませんが、南面まで高遮熱仕様にすると、太陽高度の低い冬場に日射を取り込んで室内を温めることができなくなります。
(引用:LIXIL)
それでは、省エネ住宅のトレンドでもある“パッシブデザイン”とコンセプトが逆行し、光熱費の削減につながりません。
パッシブデザインとは、電力などのエネルギー消費を最小限に抑え、夏には日射を遮り、冬には積極的に取り入れるなど、自然の力を活かして室内を快適に保つことをコンセプトとした省エネ住宅の形です。
〈関連コラム〉
・“パッシブデザイン”のメリット・デメリットは?アクティブデザインとの融合についても
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では、最も日射量の少ない北面についてはどのように考えれば良いのでしょうか?
北側は冬場でも日射熱による暖気効果はそれほど期待できないので、夏場に照り返しが気になるようであれば、遮熱仕様にしてもそれほど問題はないでしょう。
〈おすすめコラム〉
・“ZEH住宅”を後悔しないための8つの注意点・デメリットとその対策について
窓の遮熱性を高める方法は?
2022年に改正された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(通称:建築物省エネ法)」によって、住宅へも“省エネ化”が義務化されることが決まりました。
実際に法律が実行される2025年(仮)以降に建てられた住宅は、全て「住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)」における「断熱等級4」以上の性能を持っていなくてはいけません。
そのため、既に多くの新築住宅に設置されている窓には、高断熱サッシ+高断熱ガラスが採用されています。
では、そこに遮熱性を追加するためには、どのような工夫を施さなくてはいけないのでしょうか?
主な方法は4つあります。
それぞれ見てみましょう。
その① 「遮熱カーテン・遮熱フィルム」
最も手軽で低コストな方法が、遮熱カーテンを設置したり、ガラスの上から遮熱フィルムを貼る方法です。
新築住宅向けというよりも、既存住宅への対策として取り入れられています。
遮熱効果が格段に決して高いとは言えませんが、UVカットができるタイプもありますし、何より大掛かりな工事が必要ない点が魅力です。
ただし、カーテンの場合は開けていれば効果がないため、景色を見ながら遮熱もするということは難しいでしょう。
また、フィルムは経年劣化が早く、室内から貼った場合で10〜15年、屋外からの場合ですと5〜7年で張り替えなくてはいけません。
その② 「遮熱ガラス」
窓本来の開放感を維持しつつ、日射を多く遮ることができるのが遮熱ガラスの採用です。
もはや断熱性の高い複層ガラス(ペアガラス)は珍しくありませんが、さらにそこに日射を跳ね返す金属膜が貼られています。
室内側のガラスにこの金属膜が貼られているタイプは、室内の冷暖気を屋外に逃さない断熱効果が高まり、屋外側のガラスに貼られている場合は、日射をカットすることができます。
(引用:YKK ap)
断熱性のみ兼ね備えたガラスでも、ある程度は外気の暑さをブロックできますが、強い赤外線による日射熱は防ぎきれません。
そのため、先ほどもお話しした通り、東面・西面には高遮熱・高断熱のガラスを採用することをおすすめします。
高遮熱・高断熱のガラスを既存住宅の窓サッシへはめることもできますし、複層ガラスのはまらない古いサッシでも、カバー工法(既存枠の上に新規枠を被せる方法)や、サッシそのものを入れ替える工事を行えば、導入可能です。
リノベーションによって既存窓の断熱性・遮熱性を高めることはできますが、家全体の性能が低ければ、省エネ効果はそれほど期待できません。
光熱費削減や環境への配慮を目的とする場合には、家全体の性能を見直す必要があります。
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その③ 「日除けシェード・パーゴラなどのアウトドア計画」
窓ガラスの遮熱性を高めることも効果的ですが、外にシェードを付けると、窓を開けている状態でも、窓辺が日陰となり心地よい場所となります。
(引用:LIXIL)
そのほかにも、パーゴラもおすすめです。
パーゴラとは、藤棚(ふじだな)と呼ばれることもある外部へ設置する造作物で、本来は、つる性の植物を這わせるためのものとして作られますが、最近は日除けを目的に住宅へ取り入れられることがあります。
完全に屋根を作らないため、適度な日陰を作り出すことができるのです。
(引用:YKK ap)
日除けシェードもパーゴラも、新築住宅はもちろん、既存住宅へ後付けすることもできるため、日差しによる暑さが気になるという方は、アウトドア空間も見直してみることをおすすめします。
その④ 「窓の配置」
窓ガラスその他造作物などで遮熱性能を高める方法もありますが、新築住宅の場合は、そもそもの窓配置についてじっくり検討することも重要です。
特に、日射量の大きい東西面は窓の大きさ・位置によって室温を大きく左右します。
だからと言って、窓を小さくしてしまうと、冬に日射熱を得られませんし、心理的にも気持ち良い空間とは言えません。
心身ともに健康で心地よい住まいにするためには、窓の設置面や位置・大きさ・仕様の全てに気を配る必要があるのです。
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エムズホームの住宅は、「高気密高断熱」が基本。
家全体の断熱性を表すUA値は0.39以下、「樹脂サッシ + 断熱ガス入り金属膜トリプルガラス」を標準仕様にしているため、日射による暑さ対策は万全です。
窓の遮熱化・断熱化リノベーションには補助金利用がおすすめ
窓の遮熱性・断熱性を高めるためにリノベーションする際には、ぜひ補助金を活用してください。
国や都道府県・市区町村で窓リノベーションを対象とした補助事業が実施されていますが、特におすすめなのが、「先進的窓リノベ事業【公式】」。
先進的窓リノベ事業は、既存住宅における熱損失が大きい窓の断熱性能を高めることにより、エネルギー価格高騰への対応(冷暖房費負担の軽減)や、2030年度の家庭部門からのCO2排出量約7割削減(2013年度比)への貢献、2050年ストック平均でZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保への貢献を目的とする事業です。
(引用:先進的窓リノベ事業【公式】)
具体的には、既存窓の「ガラス交換」「インナーサッシ取り付け」「外窓交換」が対象です。
どの工事においても、「高遮熱+高断熱」もしくは「高断熱」であることが証明されている認定商品を使わなくてはいけません。
1戸あたりの補助額上限を「200万円」としているため、家全部の窓を改修したい方にもおすすめです。
補助額下限は5万円なので、もちろん、一箇所のみのリノベーションでも工事内容によっては適応されます。
窓から快適な室内環境を作りたいという方は、メール・お電話にてご相談ください。
M’shomeの家は「高断熱・高気密」にこだわっています
私たち“M’shome”では、お客様の快適な暮らしを実現させるために、「高断熱・高気密」を標準仕様としています。
■ UA値が0.39以下
家の「室内と外気の熱の出入りのしやすさ」を表すUA値が0.39以下になるようにプランニングいたします。
特に、屋根・天井の断熱材は、高性能グラスウール310mmを使用し、冬場の寒さはもちろん、真夏に小屋裏(天井裏)に蓄えられる熱気が室内に伝わることを抑えます。
UA値が低いということは、空調効率がアップするということ。
“エムズホーム”で新築したオール電化住宅では、省エネ性も立証されています。
■ Uw値が0.94以下
UA値が家全体の断熱性を示しているのに対して、Uw値は“窓”の断熱性を示す指標です。
窓は、外壁などよりも熱損失量が多く、重点的に断熱をしなくてはいけない場所。
ですから、“エムズホーム”では、「樹脂サッシ」+「断熱ガス入り金属膜トリプルガラス」を標準仕様としています。
ヒートブリッジ(熱橋)と呼ばれる“熱の出入り口”となりやすいアルミサッシにせず、熱伝導率の低い樹脂サッシにし、さらに最高峰の断熱性をもつトリプルガラスを入れることで、窓辺の温度差による不快感を抑え、結露の発生も防げます。
まとめ|断熱+遮熱で快適な室内環境に
窓の断熱性については多くの方が意識しているかもしれませんが、遮熱についてはどうでしょう?
特に、新築住宅においては住んでみてから初めて日差しの暑さに気がつくという方も少なくありません。
その原因は、遮熱への対策をとっていなかったからです。
快適な室内環境を作るためには、窓の断熱性だけではなく遮熱性についても考えてみてください。
私たち“エムズホーム”は、「愛着の持てる住まいづくり」をコンセプトに、高気密・高断熱で省エネ性能の高いスタイリッシュな住宅づくりを行なっています。
そのため、窓の遮熱性についてもしっかりご提案いたします。
快適なマイホームづくりを実現したい方は、メール・お電話にてご相談ください。
広島・島根で快適なマイホームを建てたい方はエムズホームにご相談を
私たち“エムズホーム”は、広島県三次市を拠点に創業1967年から“愛着の持てる住まいづくり”をモットーに、「温熱環境」「光・空気環境」「デザイン性」を重視した高性能住宅の設計施工をしております。
【お客様への“3つのお約束”】
- 1.私たちは、ストレスなく過ごして頂ける住まいの環境を整え、豊かな暮らしへの支援をし続けます。
- 2.私たちは、健康で、安心して暮らせる家(性能)を、断熱、気密、換気、空調、通風、採光、日射等についてシミュレーションで可視化してご提案します。
- 3.私たちは、豊かに暮らすための考え方、住宅ローン、LCC(ライフサイクルコスト)、光熱費、収納、家事楽、室内環境、地域貢献等)賢く住まうための知識など)をアドバイス。理想の豊かな住まいづくりの実現を一緒に目指して参ります。
高性能住宅は、省エネで光熱費を抑えられるだけではなく、地球温暖化対策につながるなど、環境問題へも寄与できます。
一生に一度の大きな買い物である「マイホーム新築」だからこそ、“高性能 × デザイン”の両方にこだわってみませんか?
広島県・島根県で家を建てるなら、エムズホームにご相談ください。