2024.8.07
照明計画の考え方は?失敗例から学ぶポイントをプロが解説
みなさんは、新築住宅の間取りを考える際に、どのような点を重視しますか?
インテリアデザインや収納、空間構成など、色々なアプローチがあるでしょう。
ここで忘れてはいけないのが「照明計画」です。
そこで、今回は「照明計画」の重要性や考え方、よくある失敗例とその対策についてお話しします。
島根・広島でこれから住まいづくりを始める人は、ぜひ参考にしてください。
■ 明るさ・光の色・光の広がり方・眩しさを考慮したプランニングをしなくてはいけません。
■ 私たち“エムズホーム”は、「愛着の持てる住まいづくり」をコンセプトに、高性能でスタイリッシュな住宅づくりを行なっています。
住宅における照明計画とは?どうやって考える?
照明計画とは、その名の通り、空間の使い道や広さ、方角などに合わせて、照明の配置や光量などをプランニングすることです。
計画のポイントとなるのは、主に4つです。
- ● 照度(明るさ)
- ● 色温度(光の色)
- ● 光の拡散(広がり方)
- ● 光のグレア(眩しさ)
設計士は、これらのポイントを踏まえて照明計画を考えるのです。
寝室など落ち着いた雰囲気にしたい場所を煌々と照らせば、どこか居心地の悪い印象になりがちですし、書斎など細かい作業をする場所をオレンジ色の光を放つ照明器具にすると、明るさが足りず目への負担が大きくなることもあります。
つまり、照明計画を考える際には、その空間をどのように使うのかや、表現したい雰囲気などを理解した上でプランニングすることが重要なのです。
では、具体的にはどのようなプロセスを経て照明計画を考えれば良いのでしょうか?
STEP① 空間の用途を把握する
照明器具の適切な明るさ(照度)は、空間の用途によって異なります。
ここで参考となるのが、JIS照明基準総則(JIS Z9110-2010)で、そこで何をするのかによって照度(lx ルクス)の範囲が決められています。
(引用:Panasonic)
複数の動作をする場合は、部屋内で場所ごとに明るさを変えたり、調光できる器具を選んでください
STEP② 空間の形状・家具の配置を把握する
必要な明るさが決まったら、次は照明器具の配置について考えます。
部屋が四角でない場合や、大きな家具を置く場合は、それらを加味しなくてはいけません。
また、間口が狭く奥行きの長い形状の部屋に短手方向に連続して照明器具を配置すると、どうしても圧迫感が生まれてしまいます。
逆に、長手方向に連続してダウンライトなどをつければ、遠近法が強調されて広々とした印象になるでしょう。
L字型の部屋などですと、照明の配置によって明かりムラができてしまうため、その点にも気をつけなくてはいけません。
STEP③ 器具の種類を検討する
照明器具と言っても、その種類は様々で、それぞれ光の広がり方が全く異なります。
主な種類は以下の通りです。
・ダウンライト
(引用:Panasonic)
天井に穴を開けて埋め込むタイプの照明器具です。
天井とほぼフラットになるため、存在感が少なくすっきりとした印象に仕上がります。
ただし、天井裏にスペースがなければ設置できませんし、手仕事などをする場合に真上にあると、手元が影となって暗くなるため、デスクライトなどを併用しなくてはいけません。
・シーリングライト
(引用:Panasonic)
天井に設置したソケットに取り付ける照明器具で、簡単に取り外しや交換ができる点がメリットです。
ただし、天井高が低い場所ですと圧迫感が生まれてしまうので気をつけましょう。
・ブラケットライト
(引用:Panasonic)
壁に取り付ける照明器具で、階段室などによく設置されます。
天井高に関係なく取り付けられ、インテリアデザインのアクセントにもなるため、デザインアイテムとして取り入れる方も多いです。
ただし、幅の狭い廊下などに取り付けると、邪魔に感じてしまうかもしれません。
・ペンダントライト
(引用:Panasonic)
吹き抜け部分やダイニングテーブル上などから吊るして設置する照明器具で、光源(光の発する場所)を照らしたい場所に近づけることができるため、ピンポイントに明かりを必要な場所に届けられます。
・ライティングダクト(照明ダクト)
(引用:Panasonic)
天井裏にスペースがない場合や、照明器具の位置を簡単に移動したい場合に用います。
レール内部に通電しているため、レールのどこにでも器具がつけられますし、ワンタッチで追加・撤去も簡単にできます。
・スタンドライト
(引用:Panasonic)
コンセントに繋いで使う照明器具で、デスクライトやフロアライトがこれに含まれます。
インテリアデザインを引き立てるアイテムとして設置することもあり、どちらかというとメインというより補助的な照明器具としての役割を果たします。
・間接照明(建築化照明)
(引用:Panasonic)
ライン型照明を天井や床、壁のスペースに配置し、反射した柔らかい光で空間を照らします。
照明器具本体が見えないように工夫するため、建築化照明とも言われます。
そのため、コストはかかりますが、その分ラグジュアリーでおしゃれな空間に仕上がるため、デザインにこだわりたい方におすすめです。
STEP④ 「色温度」「拡散」「グレア」を確認する
ここまで来たら、いよいよ取り付ける照明器具を選びます。
先ほども紹介した「照度(明るさ)」以外にも、「光の色(色温度)」「光の拡散」「グレア(眩しさ)」を考慮することがポイントです。
・色温度
(引用:Panasonic)
照明器具から放たれる光には、色の種類があることを知っていますか?
電球色、白色、昼白色など、メーカーによっていくつもの種類があるため、空間の雰囲気に合わせて選ばなくてはいけません。
物体の色が、黒色から暗赤色、暗赤色から赤色、さらに、赤色から淡いピンク色、黄色、オレンジ色、白色、青白色へとしだいに変化していきます。
この黒体の光色と、ある光源の見かけの光色とが等しくなったとき、黒体の絶対温度(K:ケルビン)で示したのがその光源の色温度です。
したがって、ある光源の色温度が低いということは、赤色を帯びたほうへ寄った光色であることを意味し、逆に色温度が高いということは、その光源の光色が青味を帯びたほうへ寄っていることを意味します。引用:Panasonic|光源の光色と演色性
ただし、最近は一つの機種で光の色を切り替えられるものもあるため、リビングなど色々な用途に使う場所はそのようなタイプを選ぶのもおすすめです。
・光の拡散
照明器具の形状によって、光の広がり方は変わります。
ある特定の場所をピンポイントで照らしたいのか、周辺をぼんやりと照らしたいのかによって適した器具が異なるのです。
(引用:LIXIL)
・グレア
グレアとは、光の眩しさによってもたらされる不快感を数値化したものです。
視野内に点灯中のランプや昼間の明るい窓がある場合、不快なまぶしさを感じたり、見ようとする対象物が見え難くなったりすることがあります。これらの現象をグレアと言います。
普通、グレアは、輝度の高いランプなどを直視した場合に生じますが、直視しない場合でもこれらのランプが視野内にある場合、あるいは、ガラスなど光沢のある面にこれらのランプが映り込み、その像が人の目に入る場合にも生じます。
(引用:Panasonic)
例えば、ソファに腰掛けた際に視界に照明器具の光源が見えると、どうしても眩しくてリラックスできませんよね。
つまり、明るさを確保しつつも眩しさを極力感じない配置計画と器具選びをするが重要なのです。
STEP⑤ インテリアデザインとの相性を確認する
照明器具のデザインは、インテリアデザインに大きく影響します。
特に、ペンダントライトやライティングダクトに取り付ける器具は、色・形状によってテイストが様々です。
明るさなどの諸条件をクリアした上で、器具本体のデザイン選びも楽しみましょう。
「照明計画を失敗した」よくある理由と対策
残念ながら出来上がった空間を見え“失敗”と感じてしまう方も少なくありません。
そこで、ここではありがちな失敗例とその対策を紹介します。
これからマイホームの照明計画を検討する際には、ぜひ参考にしてください。
■ とりあえず多めにライトを設置した
よくありがちなのが、「暗くなるのは嫌だから、とりあえず多めに照明を設置する」というケースです。
確かに、後から照明を追加すると余計な費用がかかってしまうと思うでしょう。
それは間違いではありませんが、多めにライトをつけても使わなければ、それこそ無駄になってしまいます。
また、明るすぎる空間はどうしても落ち着かず、寝る前ですと気持ちよく入眠できません。
それでも不安な場合は、壁や天井裏に後から照明器具を追加できるように、配線だけしておく方法もあります。
■ ライト色を確認せずまとまりのない雰囲気になった
どうしても明るさや器具本体のデザインが注目されがちですが、ライト色(色温度)が統一されていないと、まとまりのない雰囲気になってしまいます。
後からランプのみ取り替えられる器具と、本体ごと取り替えなくてはいけない器具があるので注意してください。
色がスイッチで変えられる場合も、他の器具と色が合うかをチェックすることが重要です。
■ ダウンライトで統一したがイマイチ
空間がすっきりとするメリットがあるため、家のほとんどをダウンライトで統一するという方もいます。
ただし、書斎などのデスク上に配置すれば、手元が頭の影となって作業しづらいですし、洗面室に立ってミラーを見るときに、真上にダウンライトがあれば顔色が良く分かりません。
その他の照明器具と組み合わせるのがおすすめです。
■ 寝るときに照明の光が気になって眠れない
ベッドに寝転んだときに上を見上げて光源が見えてしまうと、その後照明を消してもなかなかうまく寝つけません。
一説によれば、入眠する3時間前から30分前は、あまり強い光を見ない方がいいとされています。
寝室のライトは調光(光の強さを調節できる)機能のある器具や壁スイッチを採用したり、スタンドライトを配置したりするなどの工夫が必要です。
■ 明るさの調節ができない
リビングなどは時間帯などによって適した明るさが異なります。
いくつも設置したダウンライトを一箇所のスイッチで操作するようにしてしまうと、明るさが100%か0%のどちらかになるということです。
そのため、大して明るくする必要のない朝方や、リラックスしながらテレビを見たい夜中でも煌々と照明をつけなくてはいけません。
全灯を一箇所で操作するようにしてしまうと、シーンに合わせて明るさを調節できません。
■ センサーライトがしょっちゅう誤作動して気になる
廊下やトイレ、玄関など、消し忘れを防ぐために人感センサー(モーションセンサー)付きにするケースもありますが、設置場所によってはしょっちゅう誤作動を起こしてしまう場合もあります。
点灯・消灯が気になって怖いという方も少なくありません。
誤作動の主な原因は、カーテンや観葉植物の葉っぱの揺れ、エアコン吹き出し口付近の温度変化、窓から差し込む陽の光などです。
■ 窓を設けすぎて間接照明が活きない
最近は意匠的な観点から間接照明を取り付ける方も多いですが、あくまでも光が反射する壁や天井がなくては意味がありません。
そのため、せっかく間接照明をつけても、周囲が大きな窓で囲まれていると、せっかくの光が空間を照らしてくれないのです。
■ 天井デザインを意識せずに垢抜けない印象になった
明るさなどを意識するあまり、天井デザインを考えずに照明器具をつけてしまう場合があります。
これでは、いくら器具のデザインなどにこだわっても、インテリアの魅力を損ないかねません。
また、照明器具の配置によっては圧迫感が出たり、逆に遠近感を強調することもできたりします。
まとめ|照明計画が空間の雰囲気を左右する
照明は、「必要な明るさを確保できればいい」と思う方もいるかもしれません。
しかし、光の色や強さ、器具本体のデザインによって空間そのものの雰囲気が変わってしまいます。
そのため、住まいの平面計画やインテリアデザインと併せて、ぜひ照明計画についてもじっくり考えてみましょう。
ただし、「どんな雰囲気になるか分からない」という方も多いはず。
その際は設計のプロに相談してください。
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