2022.11.01
木造住宅の寿命は?耐用年数を延ばすためのポイントを解説
みなさんは、「住宅の寿命」について考えたことはありますか?
多くの方にとって人生で一度の「新築住宅の建設」ですが、せっかく建てるなら長寿命な住宅にしたいですよね。
しかし、実際にどのような住宅にすればいいのか分からないという方も多いでしょう。
そこで、今回は「木造住宅の寿命」について、基本的な考え方から延ばすための方法についてまで、詳しくお話しします。
これから住まいづくりを始める人は、ぜひ参考にしてください。
・性能を上げることで、生涯コストを抑えて長く住み続けられる住宅が実現します。
・私たち“エムズホーム”は、「愛着の持てる住まいづくり」をコンセプトに、高性能でスタイリッシュな住宅づくりを行なっています。
日本の住宅は寿命は“平均30年”?諸外国との違いは?
国土交通省の調べによると、日本で住宅が新築されて解体されるまでの平均年数は30年と言われています。
(参考:国土交通省|長持ち住宅の手引き)
ちなみに、アメリカでは55年、イギリスでは77年が住宅の平均寿命です。
(引用:国土交通省|長持ち住宅の手引き)
諸外国と比べて30年は短いと感じるかもしれませんが、その理由は決して日本の建設技術が低いからではありません。
理由は、主に3つ考えられます。
短命な理由① 税法上の耐用年数が短い
歴史的価値の高い寺社仏閣は、木造でも何百年もの間現存していることから、木造が構造的に短命である訳ではありません。
問題は、“税法上の耐用年数”です。
減価償却資産の耐用年数等に関する省令が定める基準によると、木造住宅の減価償却期間は「22年」とされており、不動産業界ではその建物の資産価値を維持できる期間の目安とされています。
そのため、22年を超えると不動産価値が激減することが多く、それを機に建て替えを検討する方が多いのです。
この考え方こそ、日本の木造住宅を短命にしている原因の一つと言えるでしょう。
実際に、欧米ではその建物の価値は築年数とそれほど関係なく、むしろ古い住宅ほどメンテナンスがきちんとされている証拠として評価される場合もあります。
短命な理由② 災害が多い
世界どこを見回しても、日本ほど地震や台風の被害が多い国はないでしょう。
そのため、江戸時代から「スクラップ・アンド・ビルド」の考え方が根付いており、災害の被害を受けるたびに“壊して建て直す”を繰り返してきました。
近年は、制振・耐震・免震の技術が進歩したおかげで、壊して建て替えるのではなく「できるだけ被害を抑える」考え方へ変わってきていますが、現存する住宅の多くは、その性能を持ち合わせていません。
つまり、地震に強い長寿命の住宅は、未だごく一部に限られているということです。
短命な理由③ バブル期に急ピッチで住宅が建てられた
1986年12月から1991年2月までの51か月間、日本では異常な資産価値上昇と好景気な状態が続きました。
これが、いわゆる「バブル期」です。
この時期は、当然ながら住宅業界も活気付いており、各社がこぞって多くの住宅を建設しました。
残念ながら“質より量”と考える施工会社も少なくなく、耐久性が低い住宅も少なからず建設されたのです。
これら住宅が現在「築36〜31年」を迎えており、そろそろ建て替えを検討し始める方が増えているのも事実です。
実際に、総務省の調べ(2018年)では、現存する専用住宅の約18.6%(不明除く)が1981〜1990年に建てられたもので、築50年を超える住宅は全体の9%ほどです。
(参考:総務省統計局|平成30年住宅・土地統計調査 |住宅及び世帯に関する基本集計)
住まいの寿命を延ばす方法は?
昨今、日本でも住宅の“高性能化”が進んでおり、着実に寿命は延びています。
しかし、まだまだその認知度は低く、どうすれば家が長持ちするのかを知らない方も多くいらっしゃいます。
そこで、ここでは家の寿命を延ばす上で重要な4つのポイントを紹介します。
その① 長期優良住宅に
「長期優良住宅」とは、長きに渡って良好な状態を保つための措置を取られた住宅を指し、2008(平成20)年に制定された長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づき、2009(平成21)より所管行政庁による新築住宅の認定制度が始まりました。
長期優良住宅としての認定を受けることにより、補助金の支給対象になったり、住宅ローンの金利引き下げ、税の特例や地震保険料の割引等のサービスも受けられます。
また、法律に基づきその住宅が“長く住み続けるのに相応しい”ということを立証できるため、認定条件をクリアすることは住宅の長寿命化に欠かせない要素とも言えます。
主な認定条件は以下の通りです。
- 構造躯体などに関する劣化対策を行っているか(床下や天井裏への点検口設置や、床下空間の高さ確保など)
- 耐震等級3をクリアしているか(木造2階建て以下の場合)
- 省エネルギーに配慮しているか(断熱性能等級5かつ一次エネルギー消費量等級6以上)
- 維持管理や更新の容易性に配慮しているかどうか(専用配管に関する維持管理対策等級3以上)
- 周辺環境に配慮しているか(地区計画や景観計画、その他条例との調和)
- 十分な住戸面積を有しているか(戸建住宅は75㎡以上)
- 維持保全計画を立てているか(構造上重要な部分や雨水侵入を防ぐ部分、給排水設備など)
- 災害に配慮しているか
これら全てをクリアしているということは、長期間住宅を良好な状態に保てることを意味します。
その② 高気密高断熱住宅に
高気密高断熱住宅は、快適な生活を実現できるだけではなく、内部結露を防ぎ、住宅の劣化を防ぐことができます。
柱などの構造躯体が結露してしまうと、腐食やシロアリ被害を誘発させ、確実にその耐久性を落としてしまうからです。
また、カビやダニなどの発生源ともなるため、健康に暮らしていくこともままならなくなるかもしれません。
そして、ヒートショック現象の原因となる気温差がなくなるため、心臓や血管への負荷も軽減できます。
つまり、高気密高断熱住宅は、その住宅そのものの耐久性を維持するだけではなく、住む方の健康も良好に保ち、健やかな生活を送れるということです。
〈関連コラム〉
エムズホーム|コラム|省エネ住宅を建てよう お財布にも健康にも優しい家づくり
その③ 普遍性のあるデザインに
住宅デザインのトレンドは日々変化しています。
そのため、一時のトレンドに流されてデザインを決めてしまい、数年後に飽きたり違和感を感じてしまう方も少なくありません。
ずっと住み続けられる住宅にしたい場合は、インテリアデザインなどを検討する際に、流行に惑わされないことも重要です。
「本当に居心地がいいか」を念頭に置き、設計者やデザイナーとじっくりデザインを考えてみてください。
その④ フレキシブルな間取りと適切な収納空間
住みやすい家には理想の間取りが欠かせませんが、考える際には先を見据えたプランニングが必要です。
現状だけを踏まえて間取りを作り込んでしまうと、住み始めてから変更を余儀なくされたり、使わなくなる空間が生まれてしまいます。
家族構成の変化に対応できる可変性を持ち、お子さんなどの成長に合わせた十分な収納量を確保することで、長年快適に暮らせる住まいになります。
私たち“エムズホーム”では、快適な収納管理の方法をアドバイスさせていただいております。
収納は少なすぎても多すぎても使いやすくなりません。
お客様の生活スタイルに合わせた収納計画や将来の人生設計にフィットする“+α”のプランを、専門スタッフが一棟一棟丁寧にプランニングさせていただきます。
「ずっと快適な住まいづくり」を目指す方は、エムズホームへご相談ください。
長寿命住宅で“大事な資産”と“地球環境”を守りましょう
長寿命化住宅を目指すことのメリットは、長く住み続けられるだけではありません。
まず、住宅に関わる生涯コストを削減できる点が挙げられます。
確かに、高性能の住宅を建てるには高い初期コストがかかりますが、30年程度で建て替えることを考えれば、決して損ではないでしょう。
また、維持コストや修繕コストも削減できます。
長期優良住宅として認定されれば、売却する際の価値が上がる可能性も高いと言えます。
そして、地球環境への負荷軽減も大きなメリット。
住宅業界含む建設業界は、他の産業と比較しても多くの廃棄物を生み出しています。
2018年に環境省が調べたデータによると、建設業が排出した廃棄物量は約7,548万t、全体の20%ほどです。
(参考:環境省|産業廃棄物の排出及び処理状況等(平成30年度実績))
また、住宅の建設にあたっては、材料の製造や運搬などに多量のエネルギーを使っているため、二酸化炭素排出量も少なくありません。
一般社団法人 ウッドマイルズ研究会の試算によると、住宅1棟(床面積 125.86 ㎡)を建設する際の二酸化炭素排出量は、26,851.59 kg-CO2となります。
(参考:一般社団法人 ウッドマイルズ研究会|建設時における木造住宅の二酸化炭素排出量)
住宅の寿命を延ばして建て替えサイクルを長くすることで、これだけの二酸化炭素排出を防げるのです。
全世界共通の目標である“SDGs達成”に向けて、環境負荷を軽減することは住宅業界全体で取り組むべき課題であり、マイホーム建設を検討する方にとっても、“サスティナブルな住宅”は、もはや無視できない課題と言えるのではないでしょうか。
エムズホームは“3つの住環境”に配慮した住宅づくりを実践
私たち“エムズホーム”は、長年快適な生活を送っていただける住まいづくりを徹底しております。
大切にしているのは“3つの住環境”です。
温熱環境
「真夏の夜にエアコンをつけなくとも安眠でき、真冬の朝にベッドから出られないということのない家」の実現に向けて、家中を16℃以上28℃以下、室温差3℃以下に保てる仕組みづくりを徹底しています。
また、冬場の日射取得や夏場の日射遮蔽を意識したパッシブな環境作りを行い、室内のエネルギーロスを最小限に抑える工夫を施しています。
光環境
日中、家中どの場所でも電灯をつけずに本が読める明るさを保てることをコンセプトとし、居室で500lx(ルクス)、共用スペースで100lx(ルクス)以上の照度を確保できる空間を作ります。
【空気環境】
気持ちの良い季節には、自然風による換気が行える位置に窓を設置したり、生活様式の変化に応じた換気量の調節が行えるなど、空気の汚れを確実に排出できる住まいづくりを行なっています。
効率的な採風が可能なウインドキャッチャー窓の配置や、各階の温度差換気経路の設定など、自然通風設計に基づく開口計画が私たちの強みです。
これら全ての条件が揃うことで、生活ストレスを抑え、環境に優しい住宅が実現します。
ずっと住み続けられる住まい作りを目指す方は、エムズホームへご相談ください。
まとめ|長寿命住宅がこれからのスタンダードに
今まで、日本は災害への対策として、スクラップ・アンド・ビルドの方法を選んできました。
しかし、住宅を建て替えるとなると、たくさんの廃棄物や二酸化炭素を排出してしまいます。
また、コスト面や生活面でのストレスも避けられないでしょう。
ですから、住宅を長期優良住宅にしたり高気密高断熱仕様にして、少しでも長寿命な家にすることはとても重要です。
新築戸建住宅をの建設を検討する際には、ぜひ「長く住み続けられる住まい作り」について考えてみてください。
広島・島根で“長寿命な家”を建てたい方はエムズホームにご相談を
私たち“エムズホーム”は、広島県三次市を拠点に創業1967年から“愛着の持てる住まいづくり”をモットーに、「温熱環境」「光・空気環境」「デザイン性」を重視した高性能住宅の設計施工をしております。
【お客様への“3つのお約束”】
- 1.私たちは、ストレスなく過ごして頂ける住まいの環境を整え、豊かな暮らしへの支援をし続けます。
- 2.私たちは、健康で、安心して暮らせる家(性能)を、断熱、気密、換気、空調、通風、採光、日射等についてシミュレーションで可視化してご提案します。
- 3.私たちは、豊かに暮らすための考え方、住宅ローン、LCC(ライフサイクルコスト)、光熱費、収納、家事楽、室内環境、地域貢献等)賢く住まうための知識など)をアドバイス。理想の豊かな住まいづくりの実現を一緒に目指して参ります。
高性能住宅は、省エネで光熱費を抑えられるだけではなく、地球温暖化対策につながるなど、環境問題へも寄与できます。
一生に一度の大きな買い物である「マイホーム新築」だからこそ、“高性能 × デザイン”の両方にこだわってみませんか?
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