2023.4.20
〈土間のある間取り〉ポイントから活用方法アイデアまで解説
「土間」と聞くと玄関というイメージしか湧かない方も多いかもしれませんが、最近有名建築家が住まいの色々な場所に取り入れている“トレンド”です。
使い方次第で日常生活を便利に豊かにしてくれます。
しかし、実際にどのように間取りへ取り入れればいいか分からないという方も少なくないでしょう。
そこで、今回は「土間」についてメリット・デメリットや活用アイデア、ポイントを紹介します。
これからマイホームを建てる方はもちろん、今のお住まいをリノベーションしたい方も、ぜひ参考にしてください。
■ 仕上げや動線、寒さ・湿気対策、設備など、様々な視点で土間を検討することで、おしゃれ&快適な住まいが実現します。
■ 私たち“エムズホーム”は、「愛着の持てる住まいづくり」をコンセプトに、高気密・高断熱でスタイリッシュな住宅づくりを行なっています。
“土間”のメリット・デメリットとは?
「土間」とは、家の屋内にあり、室内床を作らずに土足で出入りする空間を指します。
現代の住宅様式では主に玄関土間として使われますが、古くは台所も兼ねて広い空間を指しました。
最近は、屋内外を緩やかに繋げる“中間領域”として取り入れられることも増え、屋外・屋内両方の機能を果たせる場所として重宝されています。
では、土間のメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット
- ・室内床よりも掃除しやすいため、半屋外・半屋内のスペースとして使い勝手がいい
- ・庭などの外部空間と一体で使える
- ・室内に開放感をプラスできる
- ・床組み費用を削減できる
- ・取り入れ方次第では間取りに個性をプラスできる
土間は、その特性上、土についた泥などを引き込んでも掃除しやすく、汚れも室内ほど気になりません。
そのため、雨の日にペットのブラッシングをしたり、アウトドア用品のメンテナンスをしたりなど、半屋外・半屋内空間として活用できます。
また、大きな開口部を設ければ、外との一体感を感じられる開放的な場所にもなるでしょう。
土間の仕上げにもよりますが、床を組んでフローリングなどを貼るよりも建築コストを抑えられる場合もあります。
そのため、部屋の用途によっては敢えて広々とした土間を取り入れ、費用を抑える方法もおすすめです。
そして、最大のメリットは「空間を個性的に仕上げられる」という点。
広々とした玄関土間は、家に高級感をプラスしてくれますし、リビングやキッチンに取り入れると、他とは一味違う間取りが実現できます。
デメリット
- ・土間を広く取れば室内空間が狭くなる
- ・きちんと対策を取らなければ寒さや湿気が気になる
- ・バリアフリーに配慮しなくてはいけない
- ・活用方法が定まっていないとデッドスペースになりがち
トレンドの土間ですが、狭小住宅など床面積に限りがある場合は、採用を慎重に検討しましょう。
当然のことながら、土間にスペースを費やせば、その分その他の面積に支障が出ます。
いくら機能的であっても、住み心地を損なうようでしたら敢えて広くする必要はありません。
そして、土間を後悔する理由になりかねないのが、「寒さと湿気」。
土間は地面に近いため、何も対策を取らなければ足元が冷えますし、隣接した部屋の暖房効率を落としてしまいます。
また、木造住宅では玄関土間と床のレベル差が45cm程度になりますので、ご家族によってはバリアフリーも検討しなくてはいけません。
どのように使うか決めないままなんとなく土間を作ると、結局使わないスペースとなりがちです。
“土間のある間取り”を後悔しないためのポイントは?
では、土間を住まいの間取りへ取り入れる際には、どのようなポイントを押さえれば良いのでしょうか。
ここでは、特に重要な点を8つ紹介します。
その① 滑りにくく掃除しやすい床仕上げに
土間はいくら室内であっても濡れた靴で出入りすることもあるので滑りにくい床材を取り入れることは必須。
光沢のある大理石なども魅力ですが、出来るだけ表面に凹凸がありザラザラとしたタイルや石材を選びましょう。
最近は、凹凸のある表面ながらも汚れの落としやすいタイルが販売されています。
(引用:LIXIL)
最近ではコンクリート打ち放しも人気です。
塩化ビニル系のフロアタイルなどを選ぶ際には、土足での歩行に耐えられる“重歩行用”や“店舗用”をおすすめします。
その② 屋内外の“中間領域”であることを意識する
玄関土間に限らず、土間は屋内と屋外の“中間領域”的な空間です。
土足で出入りできるが天井と壁に囲われているという特性を活かせる場所へ取り入れてみてください。
最近は、以下のような土間空間が人気です。
- ・土間リビング
- ・土間キッチン
- ・シューズインクローゼット
- ・土間洗面所
土間リビングとは、名前の通り土足でもアクセスできるリビング空間です。
ウッドデッキから続いて室内まで土足で立ち入れるスペースを設け、アウトドアリビングの一部として活用する事例も増えています。
来客の多いご家庭では、お客さまをお庭から迎え入れられますし、靴の脱ぎ履きをしてもらわなくても一緒にくつろぎの時間を共有できます。
リビング全面というよりも、一部を土間にするケースが通常です。
土間キッチンも最近人気で、勝手口からそのまま土足で荷物をキッチンに運べますし、少々の汚れやゴミも気になりません。
仕上げによっては、厨房のように床をブラシで掃除することもできます。
シューズインクローゼットも立派な土間空間。
玄関の隣に配置して、靴だけではなくアウトドア用品や防災グッズなどを保管する場所としてもおすすめです。
シューズインクローゼットの中から直接室内にアクセスできるようにすれば、家族用と来客用の玄関を分けられます。
お子さんのいるご家庭やアウトドアアクティビティがお好きなご家庭に最近注目されているのが、土間洗面室。
ドロドロで帰ってきてもそのまま洋服を脱いで体や手を洗えますし、スロップシンクとランドリーを併設すれば、そのまま洗濯もできてしまいます。
土間に水道設備があれば、ペットの体を洗う場所としても活用できるでしょう。
その③ 床レベルとの段差を検討する
玄関土間の場合は、室内床から45cm程度低くするのが通常です。
なぜなら、建築基準法では木造住宅の基礎高さは30cm以上と定められており、その上に床組みをするためです。
しかし、ご高齢の方がいるお宅では上がり框の高さをもう少し低くした方が室内に上がる際に楽になるでしょう。
土間リビングなど屋内外の繋がりを重視する場合は出来るだけフラットにしておく方がより魅力を引き出せます。
ただし、靴についた汚れや埃を土間でシャットダウンしたい場合は、段差があった方がいいです。
つまり、「どこに土間を取り入れるか・どのように活用するのか」によって、室内床との段差高さは異なります。
土間を取り入れる際は、住み始めてからの生活を十分イメージして、どの程度の段差が適切なのか検討してください。
その④ 上足・下足の切り替え場所を検討する
玄関土間の場合は、上足・下足の切り替え場所が分かりやすいですが、その他の場合はどこまで土足で踏み入れられるようにするのかを明確に判断できるようにしておく必要があります。
床の仕上げが切り替わった場所で靴を脱ぐのが通常ですが、土間リビングですと、敢えて上下足を曖昧にする場合もあります。
ゲストは土足のまま外から直接アクセスし、家族は室内側からスリッパなどでリビングに入るようにすれば、生活感のある家族動線と来客動線をはっきりと分離できます。
ただし、上下足両方で立ち入る土間にする場合は、屋外の泥などを持ち込まないように泥落としができる場所を設けましょう。
その⑤ 動線をじっくり検討する
屋外空間と関わりの強い土間スペースを設ける場合は、帰宅動線と家事動線をしっかりイメージしましょう。
「朝や夕方などの時間帯に家族で混み合わないか」
「くつろぐ人と家事をする人の動線が交わらないか」
「屋外へスムーズにアクセスできるか」
これらを意識してプランニングを検討すると、より便利で有効活用できる土間空間になります。
その⑥ 寒さ対策をする
土間最大の弱点が、足元の冷えです。
隣接する空間にまで冷気が漏れ伝わり、暖房効率も下がってしまいます。
しかし、土間との間にドアなどを設けては折角の開放感が台無しです。
そこでおすすめなのが、「基礎断熱」。
「基礎内側断熱」(引用:押出発砲ポリエチレン工業会)
基礎の内外に断熱材を張って建物の外周を包み込むように保温する工法です。
基礎に囲まれた部分、つまり床下も室内と同様の環境になるため、地表から伝わる冷気を遮断できます。
土間の寒さを改善するために、最も効果的な方法としておすすめです。
土間リビングの場合には、床暖房を設置することもできます。
床暖房を採用する場合も、基礎断熱は欠かせません。
その⑦ 湿気対策をする
雨の日に土足で出入りする土間は、どうしても湿気がこもりがちです。
そのため、十分な換気だけではなく、調湿機能を持った内装材(珪藻土や調湿タイル、無垢材など)を使うことをおすすめします。
また、湿度対策と合わせて重要なのが結露対策。
湿度が上がれば外との温度差によって結露が生じやすい状況になるため、断熱サッシ・断熱ドアを選んでください。
内部結露を防止するために、十分な厚さの断熱層や湿気がこもらない防湿層を設けることもポイントです。
(引用:一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会)
その⑧ 必要な設備を検討する
土間を単なる“通り道”にせずに、必要な設備を整えて有効活用できるようにしましょう。
例えば、アウトドア用品をメンテナンスする場所として使うなら、シンク・水道やコンセントがあると便利でしょう。
また、夜にも作業をする方は、手元を十分照らせる照明計画が必要です。
最近は、自転車を土間に保管できるように、サイクルスタンドや壁掛けラックを設ける方も増えています。
このように、せっかく土間を作るのでしたら、靴の脱ぎ履きなどだけではなく、色々な用途を持つスペースとして使えるようにしましょう。
「ペット用スペース」「薪ストーブ置き場」として活用するのもおすすめ
土間は、玄関に限らず、収納やリビング、キッチン、洗面室など様々な空間と組み合わせることで、従来の住まいとは異なる快適性をプラスできます。
最近では、ペットの居場所やブラッシングをする場所として設けたり、掃除しやすく耐熱性に優れた特性を活かして薪ストーブを設置する事例も少なくありません。
平屋では、思い切って家の大半を土間にしてしまうのも良いでしょう。
職場兼住宅の場合ですと、ゲストは外から直接土間空間へ入ってもらえるので、家族の動線と明確に分けることも簡単です。
このように、土間には通常の室内空間とは異なる可能性があります。
マイホームの間取りに土間を取り入れる際には、是非日頃の生活ルーティーンを振り返り、より便利で使い勝手のよいスペースになるようにを検討してください。
まとめ|土間を取り入れておしゃれで快適な間取りに
土間は、日本古来から一般的に取り入れられてきた空間です。
半屋外・半屋内と捉えられるため、アイデア次第で幅広い活用方法があります。
日常生活でふと不便に感じたことを土間なら解決できるかもしれません。
床仕上げや動線、設備などをじっくり検討し、ぜひおしゃれで快適な土間を間取りへプラスしましょう。
私たち“エムズホーム”は、「愛着の持てる住まいづくり」をコンセプトに、高気密・高断熱でスタイリッシュな住宅づくりを行なっています。
快適なマイホームづくりを実現したい方は、メール・お電話にてご相談ください。
エムズホームの家は「高断熱・高気密」にこだわっています
私たち“エムズホーム”では、お客様の快適な暮らしを実現させるために、「高断熱・高気密」を標準仕様としています。
■ UA値が0.39以下
家の「室内と外気の熱の出入りのしやすさ」を表すUA値が0.39以下になるようにプランニングいたします。
特に、屋根・天井の断熱材は、高性能グラスウール310mmを使用し、冬場の寒さはもちろん、真夏に小屋裏(天井裏)に蓄えられる熱気が室内に伝わることを抑えます。
UA値が低いということは、空調効率がアップするということ。
“エムズホーム”で新築したオール電化住宅では、省エネ性も立証されています。
■ Uw値が0.94以下
UA値が家全体の断熱性を示しているのに対して、Uw値は“窓”の断熱性を示す指標です。
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