家づくりガイド

2023.5.01

ZEH機能性注文住宅高気密・高断熱

〈2023年版〉“断熱改修”で快適な住まいに。効果・費用目安から補助金について解説

断熱改修の方法とは?

 

戸建住宅、特に木造住宅にお住まいの方の中には、真冬の寒さ・真夏の暑さにお悩みの方も多いでしょう。

そんな方におすすめなのが、「断熱改修」。

リノベーションによって既存住宅に断熱性能をプラスできます。

 

そこで、今回は「断熱改修」について、その重要性や方法・費用目安から、注意点、関連する補助金まで、丸ごと解説します。

今のお住まいに居心地の悪さを感じている方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

この記事のポイント
■ 「断熱改修」は、家の快適性だけではなく、健康的な暮らしや家の長寿命化をもたらします。
■ それぞれの部位によって適切な工法がありますので、総合的にリノベーションプランを検討することが重要です。
■ 私たち“エムズホーム”は、「愛着の持てる住まいづくり」をコンセプトに、高気密・高断熱でスタイリッシュな住宅づくりを行なっています。

 

 

 

 

“断熱改修”の重要性は?

断熱改修の重要性・メリットは?

今や、新築住宅の常識である「高断熱性能」。

2022年に改正された建築物省エネ法(「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」)によって、2025年から一般住宅においても断熱等級4への適応が義務化されます。

 

〈断熱等級4〉
熱損失等の大きな削減のための対策(建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令に定める建築物エネルギー消費性能基準に相当する程度)が講じられている。

(引用:国土交通省

 

つまり、2025年以降に建てられる新築住宅は、全てそれなりの断熱性を持つと言うことです。

では、なぜそこまで断熱性能が求められるのでしょうか?

その理由は主に4つあります。

 

 

その① 室温が一年中安定して快適

家全体を断熱材などで包み込むことで、室温が外気温の影響を受けづらくなり、比較的一年中温度が安定します。

そのため、季節によって暑さ・寒さが不快に感じることが減るのです。

夏の冷房による倦怠感(冷房病)や、冬の暖房による乾燥が気になる方も、症状が軽減することも期待できるでしょう。

 

 

その② 空間ごとの温度差がなくなり健康的

厚生労働省の調査(令和3年人口動態調査)によると、ご高齢の方の入浴時死亡者数は、5,097名にまで上り、多くは住宅内で起こっています。

その数は年間でなんと4,750名と、同年の交通事故死亡者数2,150名の約2倍です。

入浴中死亡事故が多くなる原因の一つが、「急激な温度差による血圧変化」。

寒い脱衣所から暖かい浴槽へ入った際に、急激に血圧が上昇し、一時的に脳内へ血液が行き届かず、意識障害などを引き起こします。

この現象が、いわゆる「ヒートショック」です。

2018年には、ヒートショックによって亡くなった方は、5,398名のいたことが分かっています。

(参考:厚生労働省

 

ヒートショックの仕組み

(引用:厚生労働省

 

入浴前に廊下や脱衣所の室温がそれほど寒くなければ、ヒートショックによるリスクを大きく軽減できます。

そのため、住宅の断熱化は、健康的に暮らすためにも重要です。

 

 

その③ 空調効率が上がり省エネ・光熱費削減

木造住宅、特に築年数の古い住宅ですと、断熱性への配慮が足りず、真夏・真冬に空調機器を一日中つけっぱなしにしないといられないというケースも多いでしょう。

断熱性を高めれば、一度涼しく・暖かくなった温度を長時間キープできるため、省エネにつながるだけではなく、電気代やガス代などの光熱費も削減できます。

電気代がどんどん値上がりしている昨今んおいては、大きなメリットになるはずです。

ただし、部分的な改修ではそれほどの効果は期待できません。

省エネ・光熱費削減を目指すのであれば、全体的なリノベーションを検討してください。

 

 

その④ 防湿・通気を併せると結露対策に

断熱性を高めるということは、室内外の熱貫流(熱の出入り)を抑えられるため、窓周りなどの表面結露を大きく改善できます。

ただし、ここで気をつけなくてはいけないのが、壁内などの内部結露です。

いくら熱貫流を防いでも、湿気が篭れば結露の発生は食い止められません。

そのため、壁には断熱層に加え、防湿層・通気層を設ける必要があります。

温度差によって発生した水蒸気を屋外に排出することで、内部結露のリスクを抑制できるのです。

結露を防ぐことは、家の長寿命化につながります。

 

防湿層と通気層で結露対策

(引用:一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会

 

 

あわせてご覧ください

 

【エムズホームの“施工事例”はこちらから

 

 

 

“断熱改修”の主な方法は?費用はどのくらい?

断熱改修の方法と費用目安

では、断熱改修とはどのような方法があり、どれほどの費用がかかるのでしょうか?

それぞれ部位別に見てみましょう。

 

 

その① 外壁内・床下・小屋裏の断熱材交換や追加

外気温の影響を受けやすい外壁内・床下・小屋裏(屋根裏・天井裏)に断熱材を追加する方法が有効です。

築年数が古い住宅ですと、新築時に入れられた断熱材が湿気で劣化していたり、ずれ落ちたりしている可能性もあるので、それらについてもしっかり確認してもらいましょう。

部分的な断熱材の途切れは、“断熱欠損”となり、その部分に熱の出入りが集中して結露を生み出す原因となります。

断熱材の追加にはいくつかの方法がありますが、繊維系断熱材(グラスウール・ロックウール)やウレタンフォームを入れる方法や、発泡ウレタンを吹き付ける方法が一般的です。

 

【繊維系断熱材の追加】

1,000〜3,500円/㎡

(壁・床・天井の解体及び復旧、処分費、その他付帯工事は別途)

 

【ウレタンフォーム断熱材の追加】

1,000〜4,500円/㎡

(壁・床・天井の解体及び復旧、処分費、その他付帯工事は別途)

 

【発泡ウレタン断熱材の吹き付け】

4,000〜7,000円/㎡

(壁・床・天井の解体及び復旧、処分費、その他付帯工事は別途)

 

通常、施工面積が広ければ広いほど単価が安くなりますし、部分的な断熱材工事では、あまり効果的ではないため、フルリノベーションの際に家全体の断熱材を見直すことをおすすめします。

 

その② 開口部(窓・玄関ドア)の断熱改修

古い窓サッシや玄関ドアは、断熱性が“全く”と言っていいほどありません。

また、経年による建付不良によって、隙間が生まれているケースも少なくないでしょう。

実は、住宅における熱損失の大半は、開口部からとされているため、改善することで大きな効果が期待できます。

 

開口部からの熱損失

(引用:一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会

 

具体的には、窓サッシ・窓ガラス・玄関ドアを高断熱タイプへ取り替える方法が有効的です。

工事費用を抑えたい方や、できるだけ手軽に断熱性を高めたい方には、内窓(インナーサッシ)の設置がおすすめ。

既存の解体撤去処分費がかからず、短時間で工事が完了します。

ただし、窓周りの改修は部屋内に複数の窓を一斉に改修しないと、残った既存窓から熱の出入りが集中し、結露が部分的にひどくなる場合もあるので気をつけましょう。

 

 

【高断熱樹脂製サッシ・断熱ガラスへの交換(腰窓サイズ)※はつり工法)】

200,000〜450,000円/ヶ所

(既存窓と同サイズの場合、窓周り解体及び復旧、処分費、その他付帯工事は別途)

 

【高断熱樹脂製サッシ・断熱ガラスへの交換(腰窓サイズ)※カバー工法)】

200,000〜400,000円/ヶ所

(既存窓と同サイズの場合、付帯工事は別途)

 

【断熱ガラスのみの交換(腰窓サイズ)】

60,000〜80,000円/ヶ所

(既存窓と同サイズの場合、処分費、その他付帯工事は別途)

※既にサッシが樹脂製サッシなどで比較的新しい場合

 

【内窓・インナーサッシの設置(腰窓サイズ)】

40,000〜80,000円/ヶ所

(その他付帯工事は別途)

 

【断熱玄関ドアへの交換(片開き)】

400,000〜700,000円/ヶ所

(既存ドアと同サイズの場合、ドア周り解体及び復旧、処分費、その他付帯工事は別途)

 

【断熱玄関ドアへの交換(片開き)※カバー工法】

200,000〜500,000円/ヶ所

(既存ドアと同サイズの場合、処分費、その他付帯工事は別途)

 

カバー工法とは、既存ドア枠やサッシ枠の上に新規枠を被せる方法で、解体工事や壁・床の復旧工事が必要ありません。

ただし、有効開口寸法が狭まってしまうので、小さなドアや窓の場合は注意しましょう。

 

ドアのカバー工法
(引用:YKK ap

 

 

その③気流止めをする

気流止めとは、外壁と床下・天井の接合部分にある小さな隙間を埋める作業です。

それぞれの箇所を断熱材で丁寧に埋めていくことで、壁内などの気流をシャットダウンして、冷暖気の出入りを抑えます。

雨天時には湿気の侵入を防ぐこともできるため、結露対策としても効果がある点もメリットです。

ただし、気流止めを徹底的に行うためには、広範囲で床・壁・天井を解体しなくてはいけないため、フルリノベーションと同時に行うことをおすすめします。

 

気流止め施工方法

(引用:一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会

 

【気流止め(二階建て木造30坪程度)】

500,000〜850,000円

(床・壁・天井の解体及び復旧、処分費、その他付帯工事は別途)

 

 

その④ 外張り断熱

外壁内の断熱材を入れ替える方法だけではなく、上から断熱材を施工する“外張り断熱”という方法もあります。

室内の工事が必要ないため、日常生活を送りながらでもリノベーションできることから、近年施工事例が増えています。

ただし、複雑な形状の住宅ですと施工できない場合もありますので、必ず施工会社に詳細を見てもらいましょう。

 

外張り断熱工法

(引用:アキレス株式会社

 

【外張り断熱(二階建て木造30坪程度)】

900,000〜1,200,000円

(外壁の仕上げ工事その他付帯工事は別途)

 

 

その⑤ 基礎の断熱改修

住宅の形状によっては、基礎に断熱材を貼り付けて、床下からの冷気を遮断する方法もあります。

ただし、河川や海の近くなど、土壌の湿気が高い場所では床下の湿度が上がって、構造体の腐朽やシロアリ被害を助長してしまう恐れがあります。

そのため、どのお宅にも効果的とは限りません。

検討する際は、リノベーション会社へ土壌の状態や家の形状、床下の換気量などをしっかりと確認してもらいましょう。

 

 

【基礎断熱(木造30坪程度)】

400,000〜600,000円

(作業上の床解体及び復旧、処分費、その他付帯工事は別途)

 

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その⑥ 全熱交換器システムを導入する

家の断熱性を高める上で必須となるのが、換気システムです。

いくら断熱性を高めても、室内に湿気がこもっていては、どうしても結露をゼロにはできません。

ただし、窓を開けたり自然給排口から換気するのでは、せっかく空調された空気が一気に流れ出てしまいますし、計画的に空気を入れ替えることは難しいでしょう。

そこでおすすめなのが、「全熱交換器(熱交換気)システム」です。

機械で給排気量をコントロールできるだけではなく、外気の熱エネルギーを回収してから室内に送り込むため、寒い冬でも寒気による熱損失を防げます。

 

全熱交換器の仕組み

(引用:Panasonic

 

【全熱交換器付き換気システム設置(二階建て木造30坪程度)】

400,000〜750,000円

(壁・床・天井の解体及び復旧、その他付帯工事は別途)

 

 

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2023年・断熱改修に関連する補助金は?

2023年断熱改修に関する補助金

既存住宅の断熱化は、カーボンニュートラル実現に欠かせないとされているため、国や各自治体は様々な補助金や助成制度を行なっています。

そのため、断熱改修を行う際は、補助金についても詳しい施工会社へ相談しましょう。

2023年でも利用できる補助金は以下のとおりです。

 

 

先進的窓リノベ事業

対象工事:窓ガラス交換・内窓設置・外窓交換(はつり工法・カバー工法)

補助金額:最大183,000円/ヶ所(工事内容やサイズによって変動)

 

こどもエコすまい支援事業

対象工事:開口部の断熱改修・外壁、屋根、天井又は床の断熱改修(その他、子育て対応や防災、バリアフリー工事も対象)

補助金額:工事内容による累計(例:外壁の断熱改修・最大151,000円/一式)

 

長期優良住宅化リフォーム推進事業

対象工事:省エネルギー対策工事・耐震改修工事・構造体等の劣化対策改修など

補助金額:補助対象リフォーム工事費等の合計の1/3(最高250万円/戸)

 

【その他自治体による補助事業や助成事業、税控除制度など】

対象工事:自治体ごとで設定

補助金額:自治体ごとで設定

(例:広島市・省エネ改修等を行った住宅に対する軽減措置

 

それぞれ対象工事やその他条件が異なるため、確実に利用したい場合には、早めに施工会社へ相談しましょう。

また、事業によっては予算に達すると、申請期限を待たずに終了してしまうものも多いため、計画的なスケジュール組みが重要です。

 

 

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まとめ|断熱改修で快適な生活を実現できます

古い住宅にお住まいの方の中には、家の寒さや暑さを諦めてしまっている方も多いでしょう。

しかし、適切な断熱改修を行えば、家の快適性は実現できます。

ただし、住宅によって適切な工法や施工範囲は異なりますし、ご予算内である程度の性能を持たせることも重要です。

断熱改修に関する知識の豊富な会社へ相談し、総合的にリノベーションプランを立ててもらいましょう。

 

私たち“エムズホーム”は、「愛着の持てる住まいづくり」をコンセプトに、高気密・高断熱でスタイリッシュな住宅づくりを行なっています。

快適なマイホームづくりを実現したい方は、メール・お電話にてご相談ください。

 

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エムズホームの家は「高断熱・高気密」にこだわっています

三次市工務店

 

私たち“エムズホーム”では、お客様の快適な暮らしを実現させるために、「高断熱・高気密」を標準仕様としています。

 

 

■ UA値が0.39以下

エムズホームは断熱等級6が標準仕様

家の「室内と外気の熱の出入りのしやすさ」を表すUA値が0.39以下になるようにプランニングいたします。

特に、屋根・天井の断熱材は、高性能グラスウール310mmを使用し、冬場の寒さはもちろん、真夏に小屋裏(天井裏)に蓄えられる熱気が室内に伝わることを抑えます。

UA値が低いということは、空調効率がアップするということ。

“エムズホーム”で新築したオール電化住宅では、省エネ性も立証されています。

 

 

■ Uw値が0.94以下

エムズホームは断熱等級6が標準仕様

 

UA値が家全体の断熱性を示しているのに対して、Uw値は“窓”の断熱性を示す指標です。

窓は、外壁などよりも熱損失量が多く、重点的に断熱をしなくてはいけない場所。

ですから、“エムズホーム”では、「樹脂サッシ」+「断熱ガス入り金属膜トリプルガラス」を標準仕様としています。

ヒートブリッジ(熱橋)と呼ばれる“熱の出入り口”となりやすいアルミサッシにせず、熱伝導率の低い樹脂サッシにし、さらに最高峰の断熱性をもつトリプルガラスを入れることで、窓辺の温度差による不快感を抑え、結露の発生も防げます。

 

 

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広島・島根で快適なマイホームを建てたい方はエムズホームにご相談を

私たち“エムズホーム”は、広島県三次市を拠点に創業1967年から“愛着の持てる住まいづくり”をモットーに、「温熱環境」「光・空気環境」「デザイン性」を重視した高性能住宅の設計施工をしております。

 

サービス一覧

【お客様への“3つのお約束”】

  • 1.私たちは、ストレスなく過ごして頂ける住まいの環境を整え、豊かな暮らしへの支援をし続けます。
  • 2.私たちは、健康で、安心して暮らせる家(性能)を、断熱、気密、換気、空調、通風、採光、日射等についてシミュレーションで可視化してご提案します。
  • 3.私たちは、豊かに暮らすための考え方、住宅ローン、LCC(ライフサイクルコスト)、光熱費、収納、家事楽、室内環境、地域貢献等)賢く住まうための知識など)をアドバイス。理想の豊かな住まいづくりの実現を一緒に目指して参ります。

 

 

高性能住宅は、省エネで光熱費を抑えられるだけではなく、地球温暖化対策につながるなど、環境問題へも寄与できます。

一生に一度の大きな買い物である「マイホーム新築」だからこそ、“高性能 × デザイン”の両方にこだわってみませんか?

広島県・島根県で家を建てるなら、エムズホームにご相談ください。

 

 

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著者情報

小谷 幸裕

小谷 幸裕マスダランドビル株式会社 代表取締役社長

資格:一級建築施工管理技士・二級建築士・インテリアコーディネーター
現場監督を経て住宅の高気密高断熱に対し技術職として
長く経験を積んでまいりました

2019年に代表取締役就任
2023年初のHEAT20 G2・G3の家完成
各部屋の温度差が少なく、独自の全館空調を導入した
現在実データを収集し、心地よさを検証中
2024年7度年連続
ハウスオブザイヤーインエナジー2023受賞
初の全国2位の優秀企業賞を受賞

エムズホーム
マスダランドビル株式会社
〒728-0013 広島県三次市十日市東三丁目3番22号
建設業許可 広島県知事許可 建設工事業(般ー28)第15560号
一級建築士事務所 広島県知事登録 18(1)第2531号
宅地建物取引業 広島県知事免許 (15)第1258号

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