家づくりガイド

2024.8.08

ZEH注文住宅間取り・プランニング高気密・高断熱

“熱交換換気システム”の仕組みとは?デメリットはある?

熱交換換気システムとは

 

心地よい住まいにするためには、空気環境を整えることが欠かせません。

温度や湿度などに加えて、「換気」も重要なポイントです。

換気方法には色々ありますが、最新の方法が「熱交換換気システム」。

しかし、どのような仕組みでどのようなメリットがあるのか、またデメリットはあるのかを知らない方も多いでしょう。

そこで、今回は「熱交換換気システム」についてメリット・デメリットを詳しく解説します。

これからマイホームを建てる方はもちろん、今のお住まいをリノベーションしたい方も、ぜひ参考にしてください。

 

 

この記事のポイント
■ 「熱交換換気システム」とは、排気の際に熱エネルギーと湿気を回収し、外気温を室温に近づけて給気できる設備です。
■ 省エネ性が高く結露防止にもつながりますが、メリットを十分得るためには、住宅が高気密・高断熱でなくてはいけません。
■ 私たち“エムズホーム”は、「愛着の持てる住まいづくり」をコンセプトに、高気密・高断熱でスタイリッシュな住宅づくりを行なっています。

 

 

 

 

“熱交換換気システム”とはどんな仕組み?メリットは?

熱交換換気システムの仕組み

 

近年、地球温暖化が世界的な問題と認識されていますが、その原因となるCO2の排出量削減は、全人類にとって大きな課題です。

そのため、住宅においても省エネ化が進んでおり、高気密・高断熱化は当たり前になりつつあります。

しかし、家の気密性・断熱性が高まれば高まるほど、外気温と室温の差が開き、換気が十分でないと結露の原因に。

単に換気扇や窓から換気をすれば、外気温がそのまま流れ込み、空調熱を大幅に損失してしまいます。

この問題を解決するために生み出されたのが、「熱交換換気システム」。

最も効率的で確実性の高い「第一種換気方式(給排気共に機械で制御する方式)」と組み合わせるのが通常です。

全熱交換素子ユニットを搭載した換気設備を用いて、排気時に室内の汚れた空気と一緒に流れ出てしまう熱エネルギーと湿気を回収し、給気時に室内に戻します。

熱交換の仕組み

(引用:Panasonic

 

冬には、熱交換換気システムによって、冷たい外気を室温に近づけてから、室内へ送り込むことができます。

もちろん、夏にも換気しながら冷房で空調された室温を保つことが可能です。

熱交換換気システムの仕組みを知る上でポイントとなるのが、全熱交換素子の構造。

全熱交換素子とは、間隔を開けて積層された伝熱板から構成されている部品で、気体遮蔽性と透湿性を兼ね備えており、室内の汚れた空気と屋外の新鮮な空気を伝熱板の間に通すことで、熱エネルギーと湿気を回収します。

 

全熱交換素子の構成

(引用:Panasonic

 

熱交換気システムは全熱交換換気システムと微熱交換換気システムに分類され、一般的には、より多くの湿気を回収できる「全熱交換換気システム」が主流です。

では、具体的にはどの様なメリットがあるのでしょうか?

 

 

その①「空調負荷を軽減し省エネ」

熱交換換気システムは、外気温と室温の差が大きい場合でも、その差を縮めてから・給気するため、冷暖房効率を損ねることがありません。

そのため、省エネ性が高く、光熱費削減にもつながります。

また、空調機器を稼働するための電力も最小限に抑えられるため、地球環境保護の観点でも注目されています。

ただし、あくまでも家の断熱性が高いことが条件です。

 

 

 

その②「確実に換気ができる」

熱交換換気システムと組み合わせられる第一種換気方式は、給気も排気も機械制御で強制的に行うため、確実に汚れた空気を入れ替えられます。

そのため、建築材料に含まれるシックハウス症候群や化学物質過敏症を引き起こす原因物質、臭い、湿気が室内に滞留せずに、常に新鮮な空気で満たされます。

 

その③「調湿できて結露防止につながる」

熱交換換気システムは、換気の行程で湿気も回収します。

そのため、気密性の高い住宅でも、人から発せられた湿気による結露の発生リスクを抑えられるのです。

つまり、最新の高気密・高断熱住宅には、必須の設備機器と言って間違いありません。

 

 

 

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熱交換換気システムにデメリット・注意点はある?

熱交換換気システムのデメリット

 

高気密・高断熱住宅に欠かせない設備である熱交換換気システムですが、導入する際に知っておくべきデメリットや注意点もあります。

それぞれ詳しく見てみましょう。

 

 

その① 導入コストが高い・メンテナンスコストがかかる

熱交換換気システムは、通常の換気扇と比べても導入コストは高いです。

なぜなら、機器代だけではなくダクト配管などの工事費が必要だから。

排気を自然給排口から行う「第二種換気方式」や、給気を自然給排口から行う「第三種換気方式」と比べると、コストの差は決して小さくありません。

また、導入した後も換気能力を落とさないために、定期メンテナンスが必要です。

機種を検討する際は、フィルター交換の頻度や機器の点検にかかる費用についても、事前に調べておくことをおすすめします。

ただし、導入コスト・メンテナンスコストを差し引いても、設置後の省エネ性は大きいため、決して損ではないはずです。

 

 

その② メンテナンスを怠ると空気の質が悪くなる

室内の空気環境を良好に保つための換気システムにも関わらず、正しくメンテナンスしなければ、逆に空気の状態を悪くしてしまう可能性があります。

例えば、長期間フィルターを交換しないままにすると、溜まった埃にカビが生え、シックハウス症候群を引き起こしてしまうかもしれません。

フィルターの目詰まりによって換気能力が下がると、ダクト内に埃やチリが溜まり、大掛かりな清掃が必要になる場合もあります。

ダクト清掃はプロに依頼しなくてはいけないため、そこでも費用がかさんでしまいます。

 

 

その③ 冬場に乾燥しやすい

住宅へ取り入れる全熱交換換気システムですと、室内からの排気時に空気中の湿気をしっかりと吸収するため、外気が乾燥している冬場には、どうしても乾燥しやすくなってしまいます。

季節に合わせて、適宜加湿器などを併用するのがおすすめです。

 

 

その④ 天井裏・床下に設置場所が必要

換気ファンやキッチンフード、浴室換気扇と比べ、熱交換換気システムの本体ユニットはサイズが大きく、床下や天井裏に設置場所を確保しなくてはいけません。

また、本体ユニットと各部屋の換気口を結ぶための、ダクトスペースも必要です。

そのため、一階の広い面積を土間にする場合や、梁見せ天井・斜め天井の平屋にする場合には、間取りの構成に注意してください。

また、フィルターを定期交換するための作業スペースも設ける必要があります。

機種によって設置必要スペースやフィルター交換口が異なるため、1メーカーで設置が難しくても、その他の機種で検討してみましょう。

 

 

 

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導入する前に知っておきたい気になる疑問

熱交換換気システムの気になる疑問

熱交換換気システムの導入を検討する際に色々と調べてみると、いくつかの疑問が浮かぶ方も多いでしょう。

そこで、多くの方が気になる疑問について、省エネ住宅のプロがお答えします!

 

 

Q.「電気代は高い?」

確かに、給排気を機械制御する熱交換換気システムは、自然給排気に頼る従来の方式と比べると電気代は上がります。

しかし、一方で削減できる光熱費も大きいため、エアコンなどを頻繁につけるお宅においては、むしろ節電になる可能性は決して低くありません。

ある試算では、比較的外気温差が小さいエリアにおいても、年間で2万円以上の電気削減につながるというデータもあるほどです。

 

(引用:Panasonic

 

「電気代が気になるから極端に寒い・暑い日以外は24時間換気を切る」という方もいますが、それでは湿気がこもり結露が発生し、構造体が傷んで補修しなくてはいけなくなるかもしれません。

 

 

 

Q.「リノベーションで後付けできる?」

結論から言えば、リノベーションで後付けすることはできます。

ただし、いくつかの条件をクリアする必要があります。

例えば、家の気密性が低いと、隙間から空気が出入りしてしまうため、熱交換換気のメリットを十分に得られませんし計画的な換気ができません。

また、断熱性が低いと、いくら換気時に熱回収をしても、壁や天井、床、窓から多量の熱が出入りしてしまい、全く意味がありません。

さらに、換気ユニットを納めるための設置スペースやダクトスペースも必要です。

つまり、熱交換換気システムを既存住宅へ導入する際には、気密性・断熱性などの総合的な性能についても見直す必要があります。

 

 

 

Q.「ダクトレスで設置できる?」

熱交換換気システムは、各部屋と換気ユニット本体をダクトで繋いて換気するのが通常ですが、一部の機種は壁に直接付けることができます。

このような機種を選べば、床下や天井裏にダクト配管する必要はありません。

ただし、設置した部屋しか効果が得られないため、複数台機器が必要になる住宅がほとんどです。

そのため、ダクト配管が必要なプランよりもコストが高くなる可能性もあります。

コストを踏まえて、ダクト配管の有無についてしっかり施工店と相談しましょう。

 

 

 

ポイント

 私たち“エムズホーム”では、第一種換気方式・熱交換換気システムを標準採用しております。

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まとめ|快適な室内環境には高性能換気システムが必須

室内を快適な環境にするためには、温度や湿度の調節だけではなく、十分かつ確実な換気計画が欠かせません。

ただし、ただ空気を入れ替えするだけでは、折角空調した熱を逃してしまいますし、湿気を一緒に排出できるとも限りません。

そこでおすすめなのが、「熱交換換気システム」。

省エネで地球環境に優しいだけではなく、結露対策にもなるため、家の長寿命化につながります。

その家の間取りに合った換気ブランを提案できる会社へ相談しましょう。

 

私たち“エムズホーム”は、「愛着の持てる住まいづくり」をコンセプトに、高気密・高断熱でスタイリッシュな住宅づくりを行なっています。

快適なマイホームづくりを実現したい方は、メール・お電話にてご相談ください。

 

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エムズホームの家は「高断熱・高気密」にこだわっています

三次市工務店

 

私たち“エムズホーム”では、お客様の快適な暮らしを実現させるために、「高断熱・高気密」を標準仕様としています。

 

 

■ UA値が0.39以下

エムズホームは断熱等級6が標準仕様

家の「室内と外気の熱の出入りのしやすさ」を表すUA値が0.39以下になるようにプランニングいたします。

特に、屋根・天井の断熱材は、高性能グラスウール310mmを使用し、冬場の寒さはもちろん、真夏に小屋裏(天井裏)に蓄えられる熱気が室内に伝わることを抑えます。

UA値が低いということは、空調効率がアップするということ。

“エムズホーム”で新築したオール電化住宅では、省エネ性も立証されています。

 

 

■ Uw値が0.94以下

エムズホームは断熱等級6が標準仕様

 

UA値が家全体の断熱性を示しているのに対して、Uw値は“窓”の断熱性を示す指標です。

窓は、外壁などよりも熱損失量が多く、重点的に断熱をしなくてはいけない場所。

ですから、“エムズホーム”では、「樹脂サッシ」+「断熱ガス入り金属膜トリプルガラス」を標準仕様としています。

ヒートブリッジ(熱橋)と呼ばれる“熱の出入り口”となりやすいアルミサッシにせず、熱伝導率の低い樹脂サッシにし、さらに最高峰の断熱性をもつトリプルガラスを入れることで、窓辺の温度差による不快感を抑え、結露の発生も防げます。

 

 

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広島・島根で快適なマイホームを建てたい方はエムズホームにご相談を

私たち“エムズホーム”は、広島県三次市を拠点に創業1967年から“愛着の持てる住まいづくり”をモットーに、「温熱環境」「光・空気環境」「デザイン性」を重視した高性能住宅の設計施工をしております。

 

サービス一覧

【お客様への“3つのお約束”】

  • 1.私たちは、ストレスなく過ごして頂ける住まいの環境を整え、豊かな暮らしへの支援をし続けます。
  • 2.私たちは、健康で、安心して暮らせる家(性能)を、断熱、気密、換気、空調、通風、採光、日射等についてシミュレーションで可視化してご提案します。
  • 3.私たちは、豊かに暮らすための考え方、住宅ローン、LCC(ライフサイクルコスト)、光熱費、収納、家事楽、室内環境、地域貢献等)賢く住まうための知識など)をアドバイス。理想の豊かな住まいづくりの実現を一緒に目指して参ります。

 

 

高性能住宅は、省エネで光熱費を抑えられるだけではなく、地球温暖化対策につながるなど、環境問題へも寄与できます。

一生に一度の大きな買い物である「マイホーム新築」だからこそ、“高性能 × デザイン”の両方にこだわってみませんか?

広島県・島根県で家を建てるなら、エムズホームにご相談ください。

 

 

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著者情報

小谷 幸裕

小谷 幸裕マスダランドビル株式会社 代表取締役社長

資格:一級建築施工管理技士・二級建築士・インテリアコーディネーター
現場監督を経て住宅の高気密高断熱に対し技術職として
長く経験を積んでまいりました

2019年に代表取締役就任
2023年初のHEAT20 G2・G3の家完成
各部屋の温度差が少なく、独自の全館空調を導入した
現在実データを収集し、心地よさを検証中
2024年7度年連続
ハウスオブザイヤーインエナジー2023受賞
初の全国2位の優秀企業賞を受賞

エムズホーム
マスダランドビル株式会社
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建設業許可 広島県知事許可 建設工事業(般ー28)第15560号
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