2024.8.14
全館空調には種類がある 違いと選び方のコツ
小屋裏エアコンは、一般的な全館空調と比較すると、費用を抑えて快適な環境を調えられるらしいが、効果は高いのだろうかと疑問に思われることはありませんか?
「冷暖房や空調設備は新築時に設けることが理想的」であることを考えると、どのような方法にするべきか悩まれると思います。小屋裏エアコンでの全館空調について確認していきましょう。
Contents
一般的な全館空調の種類
小屋裏エアコンと床下エアコンを組み合わせた全館空調以外の全館空調には、いくつかのタイプがあります。
床下冷暖房方式
床下冷暖房システム用の専用空調機を設置し、床下を這う複数のダクトを使って家中に暖房の熱や冷房の涼しさを届け、室内機と床に設けられたガラリから温風や冷風を吹き出す方式です。
壁パネル方式
壁に設置された大型のパネルからのふく射熱で住宅全体を冷暖房します。
天井吹き出し方式
冬は小屋裏に取り付けたエアコンからダクトを通って床下に送られた温風が、室内を上昇し小屋裏に戻るという循環で暖房、夏は床に向かって送られた空気が上昇して小屋裏に戻るという循環で冷房します。
エアコン方式
室内に取り付けたエアコンからの冷風と温風を送風ファンと、熱交換機ユニットに接続しているダクトを通して、家中に循環させて冷暖房します。
一般的な全館空調に共通する特徴
この種類の全館空調に共通する特徴はおもに2つあります。
導入費用が高額
メーカーや全館空調方式の種類の違いにもよりますが、エアコンやファンヒーターよりも高額な費用がかかります。
一般的な4人家族が住む30~40坪程度の住宅で全館空調を導入した場合、100~300万円という費用がかかります。
ダクトを使っている
温風と冷風を各部屋に届ける為、ダクトを使っています。
ファンを使っている
ダクトから噴出された温風と冷風を撹拌する為に、ファンが使われることもありますが、このファンには2つの問題点があります。
ひとつは運転音が煩いということです。一般的なエアコンの運転音でさえ、気にされる方がいらっしゃいますが、それよりもさらに気になる運転音です。
もうひとつは空気環境への問題です。ファンには空気中の水分を吹き飛ばして、高湿にならないようにする効果もありますが、過乾燥にしてしまうこともあります。
その結果、全館空調に加えて、加湿器を使うなどの対策が必要になってしまい、導入費用も電気代も嵩んでしまいます。
エアコンでの冷暖房に多くの人が感じている不満
現在、ほとんどの住宅ではエアコンで冷暖房をしていることと思います。そして多くの人は、エアコンが調える室内環境に対して不満を持たれています。
快適性に対する不満
- ・冬は顔ばかり熱くなって足元が冷える
- ・夏は冷風が直接当たって体が冷えるので子どもの健康が心配
- ・部屋の中に場所によって温度のムラがある
- ・夏は帰宅すると家の中が蒸し暑く、冬は冷え切っている
- ・冬の早朝はエアコンが効き始めるまで冷え切っていて辛い
- ・エアコンをつけている部屋と廊下や玄関の温度差が大きく、ヒートショックが心配
省エネ性に対する不満
- 居室ごとに設けなくてはならないので何台もエアコンを購入しなくてはならない
- スイッチをオンにしたりオフにしたりする為、電気代が嵩む
(断熱性の高い住宅であるにもかかわらず電気店に進められるままに必要以上に能力の高いエアコンを設置してしまうと、さらに電気代が嵩みます)
視覚とスペースに対する不満
- 屋内機が室内になければ室内も、屋外機が外部になければ外観デザインもすっきりする
このような不満をなくして快適な生活を生み出す冷暖房の方法が全館空調の特徴と言えます。
快適な暮らしに必要な温熱環境の条件
快適な暮らしには動線の良い間取りや心地良い内装など、たくさんの要素が挙げられますが、その中でかかせない条件のひとつが温熱環境です。
温熱環境を調える為に必要なことを確認していきましょう。
代謝熱と放射熱のバランス
代謝熱とは私たちが食物から得たエネルギーを身体から発散する際に生じる熱を指します。
放射熱とは身体から奪われる熱を指します。
放射熱が多すぎると寒いと感じ、少なすぎると暑いと感じます。
食物から得たエネルギーのうちの8~9割を代謝している私たちにとって、身体から奪われていく熱の量とのバランスがほぼ同じにバランスよく保たれていることが、快適さを生み出します。
そのような状況を生み出す為には、室温と同時に床や壁、窓、天井の表面温度が、最適な温度に調えられている必要があります。
室温の温度のバランス
足元が冷える、顔が暑いといった上下の温度差、床や壁が冷たいといった室温と床や壁との表面温度の差、温風や冷風が顔や体に直接当たる不快感は、室温のバランスがとれていないと発生します。
ただ、一般的なエアコンではこのような状況は必然的に発生してしまいます。
湿度の高さと乾燥のバランス
エアコンを稼働させている時は空気が乾燥します。特に暖房時には不快に感じ、加湿器を使う人も少なくありません。
乾燥することによってのどや鼻の粘膜、肌、髪などに負担がかかることも事実です。
ただ、過剰な加湿は結露の原因となり、結露はカビを発生させ、アレルギーなどの健康被害を生み出してしまいます。
その為、冷暖房をしても乾燥しすぎない環境を調えること、高温の空気が直接部屋に入ってこないようにすることが望ましいです。
家全体の温度のバランス
家の中にはエアコンをつけている部屋とつけていない場所、エアコンをつけている時間帯とつけていない時間帯で温度差があります。
快適でヒートショックのリスクを抑える温熱環境には、温度差を5℃以下にすることが重要です。
エムズホームが小屋裏エアコンと床下エアコンでダクトレスの全館空調をする理由
- ・エアコンだけでは快適な室内環境は調えられない
- ・一般的な全館空調はコストが嵩み過ぎる
この2つの理由から、エムズホームは小屋裏エアコンと床下エアコンで全館空調する方法を模索しました。
全館空調のシステム
エムズホームの全館空調では床下エアコンは暖房に、小屋裏エアコンは冷房に使います。
他の全館空調の方法との大きな違いは、冷房と暖房でエアコンを使い分けることと、ダクトやファンを使わないことです。
冷房の方法
小屋裏に設置したエアコンの冷風が各部屋の天井にある小さなガラリから室内に届く
換気扇からの室内の空気が小屋裏に戻り、冷気が循環する
暖房の方法
床下のエアコンが基礎を暖め、その暖かさが床のガラリから吹き出す
暖かさが逃げないよう冬は天井のガラリを閉じる
温度管理
エアコンのセンサー付きリモコンはリビングに取り付け、リビングの温度に反応させてエアコンの温度調節をする
冷房と暖房でエアコンを使い分ける
冬はガラリを閉じ床下エアコンだけを使う、夏はガラリを空けて小屋裏エアコンだけを使うという方法を守っていただかないと、エアコンは全館空調として適切な働きを果たせません。
全館空調は暮らし始めてからのお施主様の全館空調の対するご理解がとても大切です。
ダクトレス
多くの全館空調では、1台のエアコンから家中に温風と冷風を届ける為にダクトを多用します。
ダクトは温風と冷風の移動には役立ちますが、メンテナンスが大変になるという面も持ち合わせています。
空気が通り抜けるだけなら汚れないだろうと思われるかもしれませんが、空気中には様々な物質が含まれています。
これらの物質が内部に蓄積されていく為、ダクト内は経年で汚れていきます。汚れたダクトを通った温風や冷風が循環すれば、家の中の空気環境は健康に良いとは言えない状況になってしまいます。
その為、ダクトを使った全館空調ではダクトのメンテナンスが必須となり、手間がかかります。
エムズホームの全館空調の方法であれば、小屋裏には階段を使って手軽に入れるので、エアコンの掃除が楽にできます。
暖房用のエアコンはガラリで囲まれているだけなので、ガラリを取り外してお手入れできます。
冷暖房の方法には全館空調の他に床暖房やセントラルヒーティングもありますが、どれも新築時に計画する必要があります。
特に小屋裏エアコンと床下エアコンを使う全館空調では、建物の断熱性能+家中くまなく空気が動きやすいプラン設計+換気・空調設計を並行して計画していくことが重要です。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
家は長く住む所です。新築時には、外観や内装のデザイン、間取り、住宅設備機器選びなど決めることがたくさんあって大変ですが、快適な温熱環境を創る方法についても考えることが大切です。
私達エムズホームは、「快適で省エネな生活ができる家」にする為にはどうしたら良いのかを常に考え続け、安心・安全・健康・省エネな暮らしの実現をお客様と一緒に目指しています。
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こちらのブログは、エムズホームが採用している窓に関する内容ですが、過去の失敗例も取り上げて説明しています。
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