2023.11.27
木造住宅の寿命を長く間取り変更を楽にするスケルトン・インフィル工法
木造住宅の寿命は、間取り変更の自由度と物理的な劣化に影響を受けます。
寿命の長い木造住宅とは、劣化を進めない対策が施されている住宅と、リフォームの自由度が高く暮らしの変化に対応できる住宅です。
在来工法での木造住宅は間取り変更の自由度が高い家ですが、スケルトン・インフィル工法はさらに自由度を高め、劣化の進行を抑えます。
Contents
木造住宅の寿命は長いのに短いと思われる理由
木造住宅はRC造の住宅より耐用年数が短いと思われている方は少なくありません。
その理由の一つは法定耐用年数です。法定耐用年数は、不動産取引や減価償却などの税金の公平性を保つ為に定められている年数を指します。
木造住宅は22年、鉄筋コンクリート(RC)造は47年と定められていますが、どちらもそれよりずっと長く住み続けられます。もちろん木造住宅も、子や孫の代まで快適で暮らしやすい状態を維持できます。
では法定耐用年数以外に、どのようなことが木造住宅の寿命は短いと思わせるのでしょうか?
また、実際に築30年程度で住宅の建て替えや住み替えをするケースは少なくありません。どのような理由で住み替えや建て替えをするのでしょうか?
暮らしの変化に対応できない
現在、住み手のない中古住宅が増え続けています。地域的な問題で親の家を受け継がないということもありますが、現在のライフスタイルに合わないという理由が多く見受けられます。
近年は数十年前とはおうち時間の過ごし方が大きく変化しています。家にいる時間は家族揃ってリビングで過ごすというご家族が増えています。
その為、リビングとダイニングキッチンを繋げ、玄関からの動線を短くした開放的な間取りが好まれています。
一方、数十年前までは、居室を細かく分ける間取りが主流でした。玄関からリビングへの動線というより玄関から階段と廊下を経て各居室への動線のある間取りが多くありました。
そのような間取りの家は、現在の家族のライフスタイルに合わない家になってしまい、住み替えやリフォームをする人が多いです。その為に、寿命が短いと思われているという面があります。
快適性と省エネ性が低い
近年、急速に住宅の断熱化が進んでいる為、数十年前に新築された住宅には、夏暑く冬寒い家が少なくありません。これも住み続けたくなくなる理由の一つとして、木造住宅の寿命を短くしていました。
地震に弱い
大地震があると、倒壊した木造住宅と倒壊していないRC造住宅の映像が、繰り返しテレビで報道されます。このイメージによって木造住宅は地震に弱いと思われている方もいらっしゃると思います。
ただ、実際には倒壊した住宅の多くは、旧耐震基準の住宅や、深刻なシロアリ被害を受けていた住宅です。
昭和56年以前に建築された建物は、建築基準法に定める耐震基準が強化される前の、いわゆる「旧耐震基準」によって建築され、耐震性が不十分なものが多く存在します。
壁量やそのバランス,接合部の構造耐力など力学的欠陥が指橋されるとともに,倒壊した建物や損傷を受けた住宅では,土台・柱・壁下地などの腐朽やシロアリの被害が著しいものがあり、また、外壁ラスモルタルの剥離がきわめて多く,内部部材が腐っているようすがしばしばみられた.
耐震基準や調査の結果からもわかるとおり、木造住宅そのものは確実な耐震対策が施されていれば、決して地震に弱い住宅ではありません。
耐震について詳しくお知りになりたい方はお問い合わせください。
木造住宅の寿命を延ばすスケルトン・インフィル工法
スケルトン・インフィル工法は、寿命の長い躯体と、寿命の短い内装や設備を分けて考えることを基にした工法です。
躯体とは建物の土台(基礎)と柱や梁で構成される建物の要となる骨組み(スケルトン)の部分です。クロスや床板などの内装、間仕切り、住宅設備機器などがインフィルです。
スケルトンとインフィルを比べると、圧倒的にスケルトンの方が頑丈で、適切なメンテナンスがされていれば100年以上の寿命があります。
一方、インフィルの部分は、素材の性質や、住宅設備機器のグレードにもよりますが、スケルトン部分より劣化の速度が速く、十数年で貼り替えや交換の必要性が出てきます。
その際にスケルトン部分と、完全に切り離されて設計されているスケルトン・インフィル工法であれば、手軽なリフォームで貼り替えや交換ができます。
また、住宅を良い状態に維持する為には、適切な時期に適切なメンテナンスが必要ですが、メンテナンスがし難い構造になっていると、メンテナンス時期が遅れたり、回数を減らしたりすることに繋がってしまいます。
スケルトン・インフィル工法には水道など、メンテナンスが必要な部分のメンテナンスがしやすいという良さがあります。
間取りの自由度を上げ可変性の高い住宅にするスケルトン・インフィル工法
家は長く住む所です。新築時にはご夫婦2人であっても、やがて子どもが生まれ、3人、4人と家族が増えていきます。
年月が経つうちに子ども達は成長し、独立していくでしょう。さらに結婚した子供夫婦といっしょに暮らす日がやってくるかもしれません。
子育て期には、子供の成長に伴って、日々生活が変化します。子どもが就学し子ども部屋を欲しがる、受験勉強が始まり子ども部屋を増やさなくてはならないといった状況が生まれます。
さらに時を経て、子どもが独立していくと、余る部屋が出てくるかもしれません。結婚した子供家族といっしょに暮らすことになれば、部屋数が足りなくなることもあるでしょう。
そのような時に、毎回大掛かりな改修をすると、リフォーム費用が嵩んでしまいます。特に子育て期は、住宅ローンを支払っている状況であることが多いと思います。その時期に、さらに子ども部屋を増やすなどのリフォームをすると、家計に負担がかかってしまいます。
スケルトン・インフィル工法で建築された住宅であれば、高額な費用をかけなくても、子育て中のちょっとした変化に応じる間取り変更ができます。
また、住宅全体の間取り変更をしたい場合、一般的な工法では、構造的な制約が多くなってしまいがちです。耐震のために設けられている耐力壁や柱を取り除くことはできないからです。
もし、希望する間取りにする為に、構造の制限を無視して改修してしまったら、地震に弱い家になってしまいます。過去の大地震で倒壊してしまった木造住宅の中には、無理な増改築をした住宅も存在します。
スケルトン・インフィル工法で建築された住宅であれば、スケルトン部分(柱や梁)とインフィル(この場合は間仕切壁)が分離しているので、一般的な構造に比べて制限が少なく、間取り変更の自由度が上がります。
木造住宅を寿命の長い家にする為には、構造躯体の長寿命を最大限活かし、内装・設備の寿命や住まい方の変化の差を埋められる設計にすることが重要課題です。
この課題を満たした家こそが、長く安心して心地良く住み続けられる家族の居場所です。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
新築時には、外観や内装のデザイン、間取り、住宅設備機器選びなど決めることがたくさんあって大変ですが、長く暮らせる家にする方法についても考えることが大切です。
私達エムズホームは、「いつまでも快適で省エネな生活ができる家」にする為にはどうしたら良いのかを常に考え続け、安心・安全・健康・省エネな暮らしの実現をお客様と一緒に目指しています。
過去の試みの中には失敗もありますが、過去の失敗経験は、より確実に暮らしやすい家づくりへの礎となっております。
こちらのブログは、エムズホームが採用している窓に関する内容ですが、過去の失敗例も取り上げて説明しています。
こんな裏側も知ってもらう機会になれば幸いです。
長く住める家に必要な条件を満たせるという理由で、私たちはスケルトン・インフィル工法を採用しています。
構造と内装部分が分離されており、構造を気にせずに内装の壁などを含め、入れ替えがしやすいという特徴があるスケルトン・インフィル工法について、詳しく知りたいという場合にはお問い合わせください。
畠敷町 スケルトン・インフィル工法を採用した施工事例
スケルトン・インフィル工法と全館空調を作用した平屋住宅です。可変性に富む間取りで、いつまでも暮らしやすさが維持されます。
全館空調は2台のエアコンで家中を快適な温度にするエムズホーム独自のシステムです。季節の変化に応じて、常に心地良く過ごせます。
この他にもたくさんの施工事例がございます。
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私たち“エムズホーム”は、広島県三次市を拠点に創業1967年から“愛着の持てる住まいづくり”をモットーに、「温熱環境」「光・空気環境」「デザイン性」を重視した高性能住宅の設計施工をしております。
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