2023.11.29
リノベーションで住宅はどう変わる?新築時に考えておきたい将来の変化
リノベーションとは、住宅に暮らしやすさを取り戻す為に改修することです。そして新築時の備えによって、リノベーションにかかる手間や費用が変わってきます。
大掛かりな工事をしなくても快適な暮らしを維持できるようにする備えです。新築時にそのような備えをしておくことの必要性とメリットやデメリットについて考えていきましょう。
・ 新築時には将来の変化に備えた家にすることが大切です。
Contents
リノベーションとは
before
after
リノベーションとは、改修することによって機能回復、性能向上を図ると共に、間取り変更や内装の貼り替え、住宅設備機器の交換などのリフォームを行う工事を指します。
暮らしの変化に合わせた機能回復
家は長く暮らす場所です。新築から年月が経つにつれ、家族構成や暮らし方は変化していきます。
子育てに備えた家づくりであった場合には、子供の成長に応じて、日々暮らしやすさは変化していきますが、子どもの独立や結婚では、さらに大きな変化が起こります。家を建てたご夫婦が現役を引退される日もやがてやってきます。
同時に時代の変化に伴って、人々のライフスタイルは徐々に変化し続けています。そのようなライフステージの変化、ライフスタイルの変化によって、暮らしやすい間取りは変わってきます。
日々の生活において、活動しやすく居心地の良い間取りの家にしておくことは、暮らしの大切な要素です。その為、これから先の生活スタイルに合わせて、自分たちが生活しやすい、活動しやすい間取りに変えていくことが、住宅の機能を回復するということです。
快適と安全にかかわる住宅性能の向上
暮らしを快適にする住宅の性能には断熱性と気密性、家計に無駄を生じさせない為には省エネ性、安全な暮らしを維持する為には耐久性、地震への備えには耐震性が必要です。
耐震性に関しては新築時に十分な対策が施されていることを考えると、この中で、リノベーションの際に重視したい性能の改修は、断熱性、気密性、快適性、省エネルギー性です。
リノベーションで断熱性、気密性、快適性、省エネルギー性を重視したい理由
毎日の暮らしの中で、暑さ、寒さは快適性に大きく影響しますが、それだけではありません。酷暑の日には室内での熱中症、寒さが厳しい冬に家の中の温度差が大きければ心筋梗塞や脳梗塞など、心臓や脳に深刻な負担を与えるリスクが発生します。
寒暖差が抑えられている家では、頭痛や腰痛、生理痛、冷え性や不眠症、アレルギー、喘息やアトピーなどの数多くの生活習慣病といわれる多様な症状が軽くなったという調査報告も出ています。
「寒い、暑い」と感じることは、自分の健康への注意信号なのです。ところが、そうした認識で住まいを選んだり、リフォームを考えたりする人の割合は極めて少ない状況です。
とくに最近になって「住まいの温度と健康との関係」が明らかになってきています。具体的には「断熱性能が高い家で暮らすとアレルギー疾患が少なくなる」「住まいの温度(とくに部屋間の温度差)が血圧変動に大きな影響を与える」といったことです。また家の中で熱中症になり(救急搬送される場所の1位は家です)、救急搬送されるニュースを毎年聞くようになっています。
住宅の断熱性と気密性は、熱の出入りを抑え、住宅全体の空間を魔法瓶のようにします。その結果、冷暖房の効率を良くするので、家の中の寒暖差が小さくなり、快適性も省エネ性も向上します。
この部分がリノベーションで住宅性能を重視したい理由です。
リノベーションの種類
一般的なリノベーションには外壁を壊すスケルトンリフォームと壁を残すフルリフォームがあります。
壁を壊すスケルトンリフォーム
基礎と柱や梁などの構造部だけを残して、全て取り壊して再生させる方法です。
外壁も新しくするので、窓の位置やサイズの変更も含め、基礎の形状以外はすべてを変更できる自由度の高さがあります。
ただ、壁を壊すスケルトンリフォームでは新築と同程度、またはそれ以上の費用がかかることもあります。
住宅の密集する地域では、法改正によって建て直しをすると「住宅の規模を縮小しなくてはならない」というような問題が発生することがあります。
「住宅の規模は縮小したくないが、どうしてもこの土地に住み続けたい」というような場合に、採用されることが多いリフォームです。
外壁を残すフルリフォーム
一般的に戸建て住宅のリノベーションではこの方法がとられます。基礎の形状と窓以外は、自由に間取り変更ができます。
住宅の規模や劣化度合いにもよりますが、壁を残すフルリフォームでは1,000万円~3,000万円程度の費用がかかります。
この2つのリノベーションの他に、高性能区画リノベーションという住宅性能を重視し、費用を抑えて高い成果を得られるリノベーションがあります。
予算を集約し量より質を上げていく高性能区画リノベーションとは
before
after
一般的なリノベーションは、どちらの方法を取っても高額な費用がかかります。やっと住宅ローンの返済が終わった時期に、また新築時と変わらないようなリノベーション費用が発生すると、生活のゆとりが脅かされてしまう可能性さえあります。
そこで考えたいことが量より質を上げる「高性能区画リノベーション」という量より質を上げる改修方法です。「高性能区画リノベーション」は次の2点を基に考えられています。
家全体を改修しようとするのではなく、場所(区画)を絞って改修する
家の中で活動している時間が長いところに重点を置いて、快適な生活が出来る範囲を検討します。
家にいる時間は家族揃ってリビングで過ごすというライフスタイルのご家族であれば、LDKを改修の中心として、キッチン、浴室、洗面、トイレの改修をします。
リビングとダイニングキッチンが並んでいなかったり、浴室とトイレが離れた位置にあったりする間取りは、リビング中心のライフスタイルにはスムーズな動線が生まれません。
その為、住宅設備機器の交換や内装の貼り替えなどのリフォームだけではなく、家族の暮らし方に合わせた間取りに改修していくという考え方です。
また、高齢になった時や、現在同居しているご両親の寝室は、水回りの近くにする、又は隣接させて別にトイレと手洗いを設け、さらに断熱性などの住宅性能を高めるというようなことも、暮らしの快適性に繋がります。
改修する部分は高性能にして快適な空間をめざす
高性能区画リノベは、家全体を広く浅く改修するよりも、予算を集約して大切な部分を高性能にしていくという考え方の改修でもあります。
高性能区画リノベーションをしやすくするスケルトン・インフィル工法
こちらの事例を詳しくご覧いただけます。
>>>畠敷町 全館空調の家
新築時にスケルトン・インフィル工法が採用された住宅では大掛かりな工事をしなくても暮らしの変化に合わせたリノベーションができます。工事が大掛かりにならない分、一般的なリノベーションよりも費用を抑えられることも魅力の一つです。
スケルトン・インフィル工法とは、建物の柱や梁、床などの構造躯体である箱をスケルトン、内装や間仕切、設備などの箱の中身をインフィルと分離させる工法です。
木造住宅の構造躯体(スケルトン)の耐久性は非常に高く、優れた建築技術と適切なメンテナンスによって、100年以上の寿命を持たせることができます。
一方、内装や住宅設備機器(インフィル)の耐久性は10年から20年です。そして、100年間暮らしに変化がおこらないご家族はなく、新築から10年から20年程度のタイミングで、暮らしやすい間取りが変わります。
この時にスケルトンとインフィルが分離されていると、間取り変更や内装リフォームが容易に行えます。
さらに、耐震改修や配管の交換などに際しては、構造的な制約に阻まれることなく改修工事を進められます。
新築時に将来の変化を考えておく必要性
こちらの事例を詳しくご覧いただけます。
>>>島根県飯石郡飯南町の家
住宅の新築時にはおしゃれな外観、居心地の良い内装、暮らしやすい間取り、快適な室内環境など、考えなくてはならないことがたくさんあります。
どれも重要で欠かすことのできない項目ですが、もうひとつ、将来に向けての可変性についても考えておくことが大切です。
家は、家族構成や家族の年齢、生活の変化によって、暮らしやすい間取りが変わります。その変化は、どのご家族にも起こることです。
ただ、その変化の度に高額な費用をかけて改修するとなると、家庭の経済に負担がかかってしまいます。
その為、新築時にライフステージの変化に対応しやすい家にするということは、長く快適な暮らしができる家にするということに繋がります。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
私達エムズホームは、「いつまでも快適で省エネな生活ができる家」にする為にはどうしたら良いのかを常に考え続け、安心・安全・健康・省エネな暮らしの実現をお客様と一緒に目指しています。
過去の試みの中には失敗もありますが、過去の失敗経験は、より確実に暮らしやすい家づくりへの礎となっております。
こちらのブログは、エムズホームが採用している窓に関する内容ですが、過去の失敗例も取り上げて説明しています。
こんな裏側も知ってもらう機会になれば幸いです。
長く住める家に必要な条件を満たせるという理由で、私たちはスケルトン・インフィル工法を採用しています。
リノベーションやスケルトン・インフィルについてもっと詳しく知りたいと思われた方は、お問い合わせください。
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