家づくりガイド

2023.12.29

ZEH機能性注文住宅資金計画高気密・高断熱

省エネ住宅とは気候に合った性能を持つ家|基準やZEHとの違いを解説

省エネ住宅とは気候に合った性能を持つ家|基準やZEHとの違いを解説

省エネ住宅とは少ないエネルギーで快適な温熱環境を調える家です。

地域の気候によって必要な断熱性や気密性は異なる為、地域に合わせた基準と、エネルギーの消費量を変える性能の高さによる複数の等級が定められています。

さらにZEHは省エネだけではなく創エネもできる住宅です。2024年の補助金も含め省エネ住宅についてみてきましょう。

この記事のポイント
・少ないエネルギーで快適な環境を調える省エネ住宅には、断熱性の高さによって複数の種類があります。
・省エネだけではなく「家庭で使うエネルギーを家庭で創る家」がZEHです。
・省エネ住宅の新築時には2024年も引き続き、国の補助金が受けられます。

 

省エネ住宅に求められる新築時に検討すべき3つの要素

こちらの事例を詳しくご覧いただけます。
>>>畠敷町 全館空調の家

省エネ住宅とは熱を出入りさせないことに加え、照明や冷蔵庫など生活に必要な家電の電気の使用量が少ない住宅を指します。

このうち、新築時に検討しなければならないことは、少ないエネルギーで快適な温熱環境を調える家にする為、熱を出入りさせない性能を持たせるということです。具体的には、断熱と気密、日射遮蔽という3点です。

断熱は面からの熱の出入りを抑える性能

熱の出入りを少なくする性能が断熱です。夏は太陽熱が家の中に侵入することを抑え、冬は暖房の熱を逃がさないようにします。

空気には暖まると冷えている方に流れていくという性質がある為、暖房の熱が上昇することや、低い位置の窓から高い位置の窓へと室内の熱が排出されていくことは、体感としてご存知のことと思います。

この現象は、間取りや空調の方法で空気を循環させることで解決できます。

一方、家全体で考えると外気温が高いと室内に暑さが侵入し、外気温が低いと暖かさが外に逃げていきます。この現象を抑え熱を出入りさせない為には、住宅が直接外気に触れている部分全てからの熱の出入りを抑える必要があります。

具体的な方法には、屋根、壁、床に断熱材を入れることや、開口部に熱を通さないガラスやサッシを使った窓やドアを採用することが挙げられます。

熱を通さない殻で包みこむことによって、少ないエネルギーで快適な室温を維持できる家が生まれます。

気密は隙間からの熱の出入りを抑える性能

家を包む殻が熱の出入りを抑えたとしても、隙間があると熱の出入りは発生してしまいます。昔の日本の住宅は、木材の腐朽を避ける為に通気の良さを尊重して造られていましたが、現在は換気・空調機器の性能が非常に向上しています。

その為現代では隙間を生まない設計にし、それと並行して適切な換気計画を進めることで、隙間からの熱の出入りのない気密性の高い住宅が建築されるようになっています。

日射遮蔽は太陽熱の侵入を抑える性能

断熱性と気密性の高い住宅では侵入した熱が出ていかない為、日射を遮蔽して太陽熱による冷房の効率低下を防止することも必要です。

オーニングやスダレなどの窓の外で日射を遮る方法は非常に有効ですが、新築時にも2つの対策が必要です。

ひとつは、季節によって変わる太陽の位置と住宅の向いている方角を計算して、室内への明るさを損ない過ぎず、日射熱を遮れる深さの軒を設けること、もうひとつは窓に遮熱性能を持たせることです。

住まいの「遮熱」

最近の住宅は以前より断熱化が進んでいるため、一旦室内に熱を入れてしまうと、逆にそれを室外に排出することが難しいといえます。そこで夏は、冷房機器の効率に影響を及ぼす直射日光による熱を室内に取り入れないように、窓の遮熱対策を実施することが重要です。

引用:経済産業省 資源エネルギー庁 住宅による省エネ

M's home施工事例

省エネ住宅の種類とZEHの違い

三次市工務店

こちらの事例を詳しくご覧いただけます。
>>>三次市十日市東『trip』

省エネ住宅の基本は少ないエネルギーで快適な室温を調えられることですが、それに付加価値が加わった省エネ住宅もありますので、2つの例を挙げて説明します。

長期優良住宅は省エネに加え長く快適に暮らせると認定された家

省エネ性に加えて、永続性と居住環境についての基準を満たすことが求められます。

  • 永続性についての基準
    劣化対策・耐震性・省エネルギー性・維持管理・更新の容易性・可変性・バリアフリー性
  • 居住水準を確保できる住戸面積
  • 居住環境に関する基準
    地区計画・景観計画・条例・建築協定などとの調和
  • 適切な維持保全計画
    定期的な点検や補修に関する計画の策定

低炭素住宅は省エネ住宅より10%以上エネルギー消費量が減らせる家

二酸化炭素の排出が抑えられることを認定された住宅を指します。省エネ基準よりも10%以上エネルギー消費量を少なくする措置を以下の中から2つ以上することが求められます。

  • 節水水栓や節水トイレを設置する
  • 雨水の貯水設備を設置する
  • HEMSを採用する
  • 屋上緑化でヒートアイランド対策をする
  • シロアリや腐朽菌による劣化軽減対策をする
  • 木造住宅である
  • 普通セメントより強度を保てる期間が長い高炉セメント等を使用する

 

用語についての解説

3番目のHEMSとは、「Home Energy Management System」の略称で、電気やガスなどの使用量を常に見られるようにしておいたり、自動的に制御したりして、エネルギーの消費量を抑えるシステムを指します。

7番目の高炉セメントとは、構造耐力上主要な部分に使用するセメントのことです。一般的な石灰石を主原料にする普通ポルトランドセメントと比較して天然資源である石灰石を40%節約でき、製造時にもエネルギーの消費量が少なく、二酸化炭素が約45%程度低減されるという特性があります。

ただし、寒さが厳しい地域での寒中コンクリート施工となる冬期間には、低酸素住宅の認定基準に対して、高炉セメントコンクリートに代わり普通ポルトランドセメントコンクリートの使用を承諾されることもあります。

ZEHは省エネに創エネを加えた住宅

ZEHとはnet Zero Energy Houseの略称です。他の省エネ住宅よりも高い省エネ性に、太陽光発電や蓄電池といった創って蓄えるエネルギーを加え、家庭で消費するエネルギー量と家庭で創り出すエネルギーをプラスマイナス0にする住宅を指します。

M's home施工事例

三次市の住宅に必要な省エネの性能基準

こちらの事例を詳しくご覧いただけます。
>>>四拾貫町の家

2つの省エネ基準

省エネ基準には一次エネルギー消費量基準と外皮基準があります。

一次エネルギー消費量基準

生活に必要不可欠な冷暖房や照明などで消費されるエネルギーの量から、太陽光発電などで創り出したエネルギーを差し引いたエネルギー量の基準が一次エネルギー消費量基準です。

外皮基準

屋根、外壁、床、開口部など、外気に直接触れる部分を外皮と呼びます。この外皮から失われる熱の量を表す数値が外皮平均熱貫流率(UA値)です。断熱性が高くなるほど数値は小さくなっていき、省エネ性が高くなっていきます。

三次市の省エネ住宅に求められる外皮平均熱貫流率(UA値)

省エネ住宅の外皮に求められる外皮平均熱貫流率(UA値)は、地域によって異なります。

日本は南北に長い国なので地域による気候の差が大きい為、全国を8つに分けそれぞれの地域区分に必要な外皮平均熱貫流率(UA値)が定められています。

その中で広島県には大きく分けて年平均気温15~16度である温暖な瀬戸内海沿岸と、年平均気温10~11度で、冬の寒さが厳しく雪の量も多い山間地域があります。その為、3地域から6地域という4つもの地域に区分されていて、三次市は5地域にあたります。

さらに省エネ基準は断熱等性能等級によって1から7までに分けられています。この中で等級4が2025年度に義務化される予定ですので、断熱等性能等級4は今後新築する住宅の最低基準と考えてよいでしょう。

具体的に三次市の住宅に求められる外皮平均熱貫流率(UA値)の基準を確認してみましょう。

省エネ住宅の種類 断熱等性能等級・ZEH基準とUA値 ( )内はUA値
ZEH+

(0.4)

ZEH

(0.6)

等級7

(0.26)

等級6

(0.46)

等級5

(0.60)

等級4

(0.87)

省エネ住宅 認定
長期優良住宅 認定 認定

されない

ZEH 認定
ZEHプラス 認定 認定されない

 

数字を見てもピンとこないと思いますが、ZEHプラスが最も寒さ暑さに強い家、その次がZEHと長期優良住宅です。そして省エネ住宅の快適さや省エネ率の高さには4段階の違いがあります。

三次市は冬の寒さが厳しい為、冷房期間と合わせると一年の内約10カ月間エアコンを稼働するご家庭がほとんどです。その為、毎年多額の光熱費がかかります。

関連コラム

 

一方、新築時に住宅の断熱性を高めようとすると建築費が嵩みますが、日々の光熱費は抑えられます。

その為、「どの程度までの性能にすれば暮らし始めてからの光熱費が抑えられるのか」、又「抑えられた分で新築時に断熱性を高める為に使った費用は何年で回収できるのか」を考えてみることが大切です。

断熱性を高めると住宅ローンの返済額が上がるが、光熱費にかかる料金が減る為その分を住宅ローンに回せるからです。

M's home施工事例

省エネ住宅の新築に使える2024年度の補助金と住宅ローン減税

こちらの事例を詳しくご覧いただけます。
>>>東城町の家

家庭でのエネルギー消費量の多くは冷暖房に使われています。その為、国は2024年度も継続して断熱性の高い住宅に対しての支援事業を行います。

詳細はまだ決定していない部分もありますが、新築時の経済的な助けになることは確実です。

子育てエコホーム支援事業

高い省エネ性能を持つ新築住宅を建てる子育て世帯、若者夫婦世帯と、住宅の省エネ改修をするすべての世帯への支援事業です。

長期優良住宅には100万円、ZEHには80万円の補助金が出ます。

国土交通省 子育てエコホーム支援事業について

住宅ローン減税

借入期間が10年以上の住宅ローンに対して税金が控除されます。

長期優良住宅・認定低炭素住宅には借り入れ限度額4,500万円に対して410万円、ZEH水準省エネ住宅には借り入れ限度額3,500万円に対して319万円、省エネ基準適合住宅には借り入れ限度額3,000万円に対して273万円が最大13年間控除されます。

国土交通省 住宅ローン減税における省エネ性能の必須要件化の概要や省エネ基準への適合の確認方法等について

快適な暮らしに室温の調えやすさは欠かせない要素であり、冷暖房にかかる費用を抑えることは家計のゆとりに繋がります。

新築時の断熱計画は、断熱性の高さによる暮らし始めてからの光熱費の違いと、住宅ローンの返済額、そして活用できる補助金について合わせて考えながら進めていくことが大切です。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

私達エムズホームは、「いつまでも快適で省エネな生活ができる家」にする為にはどうしたら良いのかを常に考え続け、安心・安全・健康・省エネな暮らしの実現をお客様と一緒に目指しています。

過去の試みの中には失敗もありますが、過去の失敗経験は、より確実に暮らしやすい家づくりへの礎となっております。

こちらのブログは、エムズホームが採用している窓に関する内容ですが、過去の失敗例も取り上げて説明しています。

>>>おススメする樹脂サッシの特徴・採用するメリットを解説

こんな裏側も知ってもらう機会になれば幸いです。

家づくりを始めるにあたって、どの程度の断熱性を持たせるべきなのか迷ってしまった時や、家づくり勉強会に興味があるという場合にはお問い合わせください。ご一緒に快適な家づくりを実現する計画を進めてまいりましょう。

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広島・島根で快適なマイホームを建てるエムズホーム

私たち“エムズホーム”は、広島県三次市を拠点に創業1967年から“愛着の持てる住まいづくり”をモットーに、「温熱環境」「光・空気環境」「デザイン性」を重視した高性能住宅の設計施工をしております。

 

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【お客様への“3つのお約束”】

  • 1.私たちは、ストレスなく過ごして頂ける住まいの環境を整え、豊かな暮らしへの支援をし続けます。
  • 2.私たちは、健康で、安心して暮らせる家(性能)を、断熱、気密、換気、空調、通風、採光、日射等についてシミュレーションで可視化してご提案します。
  • 3.私たちは、豊かに暮らすための考え方、住宅ローン、LCC(ライフサイクルコスト)、光熱費、収納、家事楽、室内環境、地域貢献等)賢く住まうための知識など)をアドバイス。理想の豊かな住まいづくりの実現を一緒に目指して参ります。

 

 

高性能住宅は、省エネで光熱費を抑えられるだけではなく、地球温暖化対策につながるなど、環境問題へも寄与できます。

一生に一度の大きな買い物である「マイホーム新築」だからこそ、“高性能 × デザイン”の両方にこだわってみませんか?

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著者情報

小谷 幸裕

小谷 幸裕マスダランドビル株式会社 代表取締役社長

資格:一級建築施工管理技士・二級建築士・インテリアコーディネーター
現場監督を経て住宅の高気密高断熱に対し技術職として
長く経験を積んでまいりました

2019年に代表取締役就任
2023年初のHEAT20 G2・G3の家完成
各部屋の温度差が少なく、独自の全館空調を導入した
現在実データを収集し、心地よさを検証中
2024年7度年連続
ハウスオブザイヤーインエナジー2023受賞
初の全国2位の優秀企業賞を受賞

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